柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「レオ、どこの猫を捕まえたんだい?」
口端から細く薄い紫煙を吐き出す蘭子が面白そうにその目を細めて聞いた。その言葉を理解できず、レオは少しばかり眉を寄せた。
「猫?」
「あぁ。あんたにしちゃぁ随分と気難しそうな猫を捕まえたようだねぇ。苦労しているのが分かるよ」
「何を言っているんだ?」
「自分で分かっていてそんな事を聞くのかい?首だよ、首。鏡で見てみたら分かるさ」
持っている煙管でレオのうなじを差す。訝しげに鏡で見てみると
「!!あの野郎……」
「猫は猫でも、虎に手を出したんじゃぁそうなるだろうね」
はっきりと残されている歯型を見て顔を顰めるレオを見て、くっくと喉の奥で蘭子は笑った。
「見えるところには噛み付くな、と言っただろ」
「今更気づいたのか?」
どうやら確信犯である伽羅の言葉にレオはため息を吐く。
自分と伽羅が肉体関係を持っているという事実を知られても問題はない。それが互いの弱みになることはない。
ただ、蘭子のように面白がって詮索されるのは不愉快だ。
「確認する時間がなかった」
「テメェの自己管理が悪い」
「欲求不満だからヤらせろ、と無理やり付き合わせたのはお前だろ」
「了承したのはお前だ」
「……殺し合いにでもなれば仕方が無いだろ」
また深くため息を吐くと「うるせぇよ」と伽羅がその背中に蹴りを入れる。だいぶ加減はされているがそれでも威力のある蹴りは一瞬呼吸をとめさせた。
「伽羅」
「テメェだって俺に噛み付いてきてんだろうが。たまたま今回は見える場所だった。それだけだろ」
「噛むが痕はつけていない」
「つけていない、じゃなくてつけられないの間違いじゃねぇの?」
鼻で笑う伽羅の態度にレオの口元がひくつく。
「……ほぉ、俺の牙じゃぁお前に突き刺さらないって言いたいのか?」
「どっかの蛇に飼われているんじゃぁ小さすぎて傷なんてつけられないだろ」
「試してやろうか?」
「やれるもんならやってみろよ」
本当は分かっている、挑発して自分の思うようにさせている事を
ただそれは今だけ頭の片隅に置いて、その挑発に乗って楽しんでやろうと、その首筋に歯を立てた。
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