私が長撻長に飢えている時に、セサミんさんが妄想を投下してくださったので、そのお礼な貘梶です。
セサミんさんのイラストに触発された貘梶のする直前の話で、情事中は私が恥ずかしくなって書けなかったので色気0です
そして勝手に触発されたからと言って書いてしまいすみませんでした。ご連絡有ればすぐに消します
[3回]
自分を救ってくれた人だった
自分を深淵に導いた人だった
憧れの人だった
いつかこの人になりたいと思った
「落ち着きなよ梶ちゃん」
貘の言葉に顔をあげた。
普段は共に寝る事が無いベッドの上、2人は向かい合って座っている。
「俺は待っていられるし、それにそんなに手が震えちゃ脱げないでしょ?」
貘に言われた通り、梶が自分のボタンを外す手が震えているままだ。
緊張なのか恐れなのか、震えは止まる気配がない。
「すいません……」
「いいよ。こんな事慣れているわけがないだろうしね。むしろ慣れていたら俺が嫉妬しちゃうよ、梶ちゃんの相手に」
「からかわないでくださいよ」
「ごめんね、からかったわけじゃないんだけどなぁ」
拗ねた表情を見せると、貘は穏やかに笑って梶の頭を撫でた。
「怖い?」
「怖い、って言うよりは……何か、夢みたいで」
「夢じゃないよ。分かるでしょ?」
頭を撫でる、その細くて長い指。
確かにあるその感触は現実であることの証明で、梶はシーツへと視線を落とした。
「梶ちゃん、脱げないなら俺が脱がしてあげようか?」
「え?」
「初めてで何もかも不慣れだもんね。俺がリードしてあげる」
頭を撫でていた手がボタンへと移され、ゆっくりと外していく。
「ば、貘さんっ」
「ん~?」
「や、やっぱり自分で……恥ずかしくて……」
「そう言って俺の為にやってくれるのは嬉しいんだけどねぇ、俺もあんまりお預け食らっていたくないんだ。梶ちゃんって焦らし上手なんだから」
全てのボタンが外され、露わになった肌をなぞる。
冷たい手に体がわずかに跳ねるが、貘は肌の感触を楽しんでいる。
「ひぅ……っ」
思わず漏れた声に慌てて唇を噛んで漏れないようにおさえる。
「この後いっぱい出すんだから抑えないの。それに唇が傷ついちゃう」
長い口づけをし、酸素を欲する為にわずかに開いた隙を見逃さず、咥内へと舌を入れる。
「んぅ、ふぁ……っ」
何度やってもなれない口づけに梶の全身から力が抜け、そのまま貘に押し倒される。
ようやく口づけから解放され潤んだ瞳の梶に、貘は額を合わせて微笑んだ。
「さぁ、素敵な夜を過ごそうか」