柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「どこか出かけるの?」
靴を履いているガクトに蜂名が問いかける。
いつもの革靴ではないので仕事関係ではないのだろう、服装もラフだ。
「夕飯の買い出しにな。少し遅くなる、悪いな」
「僕もうお腹すいているんだけど」
「悪い。すぐ買えるようにはするから。何か食べたいものはあるか?」
「ガクトに任せる……いや、僕も行く」
「え?」
普段は買い物に出かけず、家の中でひたすら調べ物をしている蜂名にしては珍しい、とガクトは目を丸くさせる。
蜂名は適当に上着を掴みそれを着ると
「ガクトと買い物デートだ」
と、少し嬉しそうに言った。
「あ、これも食べたい」
「蜂名、これ以上菓子を買うわけには……」
「僕にお菓子の美味しさを教えたのはガクト、君の責任だ。君は僕にこういったスナック菓子を買う義務がある」
「何だよそれ」
ガクトが野菜を品定めしている傍らで、蜂名は気になった菓子をカゴに入れる。
財布を持ってきていない……と言うより、ガクトの家に転がり込んできた時から無一文な蜂名に支払い能力があるわけが無く、全てガクトの負担だ。
(今月はもうビール飲めないな……)
カゴの中にある菓子の量を見て、内心ため息を吐く。
しかし、今まで不思議でよく分からなかった男が、お菓子を買ってあげて嬉しそうにしている顔が見えるので、あまり怒る気にはなれなかった。
「……あ」
「どうした?」
「あそこ」
蜂名の指差した方向を見れば、いわゆる不良のような風貌の男達が1人の女性を取り囲んでいた。
傍から見ればナンパしているように見え、女性の方は大変困っている様子だ。
「まずいな……蜂名、これを持っていてくれ」
「何をするの?」
「もちろん彼女を助ける。先に帰っていてもいい」
「止めておきなよガクト」
「困っている女性がいるんだ、放っておけないだろ!!」
「あの人を助ける必要は無いよ」
無表情で女性を眺めながら、蜂名は淡々と言った。
しかしガクトはその言葉を無視し、不良たちへと歩み寄る。
「おい」
「あぁ?」
振り向いた不良達は、ガタイが良く強面のガクトに一度たじろぐ。
「な、何だよおっさん」
「彼女が嫌がっているだろう。離してやれ」
「はぁ?あんたには関係ないだろ!!」
短絡的に殴り掛かってきた1人の拳を掴むと、そのままひねり上げる。
職務上暴力沙汰は避けたいが、他の不良達も襲い掛かる。
これはまずいな……と思った瞬間、襲い掛かってきた不良達がなぜか後ろへと吹っ飛んだ。
何事かと地に伏せた不良を見れば、その顔は真っ赤で、傍らには野球ボール。
こんな芸当ができるのは1人だけだ
「蜂名、助かった」
「別に。ありがとう君達」
素っ気なく返事をすると、貸してくれたであろう高校球児にバッドを返した。
ボールも投げ渡して返す。
その間に不良達はのびている仲間を引きずって逃げて行った。
「あ、あの……」
助けた女性が声をかける。
「あ、だいじょ…… 「ありがとうございました!!」
そう言って礼をしたのは、ガクトではなく蜂名。
「……」
「あなたがいなかったら私……」
目を潤ませて、上目に見ているその顔はかわいらしい。
しかし、蜂名は冷めた目で見下していた。
「今度お礼を…… 「ふざけるな」
その声は冷たい。
「蜂名!!」
「だから僕は言ったんだ。こんなの助ける必要はないって。行こう」
「あ、おい!!……すいません、連れが。お怪我ないようでよかったです。帰る際は気を付けて」
呆気にとられている女性を残すのは少し気が引けたが、なぜか憤慨している蜂名を慌てて追いかけた。
「蜂名、あんな言い方は……」
「僕はすごく今怒っているんだ」
「どうしてそんな機嫌が悪くなるんだよ。普通にかわいい女性だったし、お前にきちんとお礼を言ったじゃないか」
「本当に言うべきはガクトだろ?」
「別に俺は……それに、蜂名が気づかなかったら分からなかったかもしれないし、不良達を倒したのも蜂名だろ?」
「それでも最初に行動に起こしたのはガクトだよ。……はぁ、せっかく楽しい買い物だったのに」
「楽しい買い物って。ただ夕飯の買い出しをしただけだろ」
「それでもガクトと一緒にいられるなら楽しい買い物だよ」
「……」
何を言っているんだ?と怪訝そうな顔をしているガクトを見て、蜂名はため息を吐く。
「ガクトはもっと自分の事をよく知った方がいいよ。周りの事もね」
「何を言っているんだ?」
「本当の事。夕飯楽しみにしているから」
その前にお菓子食べようかな、と言っている蜂名に、頭の中は疑問符だらけだが
「あまり食いすぎるなよ」
とだけ言った。
靴を履いているガクトに蜂名が問いかける。
いつもの革靴ではないので仕事関係ではないのだろう、服装もラフだ。
「夕飯の買い出しにな。少し遅くなる、悪いな」
「僕もうお腹すいているんだけど」
「悪い。すぐ買えるようにはするから。何か食べたいものはあるか?」
「ガクトに任せる……いや、僕も行く」
「え?」
普段は買い物に出かけず、家の中でひたすら調べ物をしている蜂名にしては珍しい、とガクトは目を丸くさせる。
蜂名は適当に上着を掴みそれを着ると
「ガクトと買い物デートだ」
と、少し嬉しそうに言った。
「あ、これも食べたい」
「蜂名、これ以上菓子を買うわけには……」
「僕にお菓子の美味しさを教えたのはガクト、君の責任だ。君は僕にこういったスナック菓子を買う義務がある」
「何だよそれ」
ガクトが野菜を品定めしている傍らで、蜂名は気になった菓子をカゴに入れる。
財布を持ってきていない……と言うより、ガクトの家に転がり込んできた時から無一文な蜂名に支払い能力があるわけが無く、全てガクトの負担だ。
(今月はもうビール飲めないな……)
カゴの中にある菓子の量を見て、内心ため息を吐く。
しかし、今まで不思議でよく分からなかった男が、お菓子を買ってあげて嬉しそうにしている顔が見えるので、あまり怒る気にはなれなかった。
「……あ」
「どうした?」
「あそこ」
蜂名の指差した方向を見れば、いわゆる不良のような風貌の男達が1人の女性を取り囲んでいた。
傍から見ればナンパしているように見え、女性の方は大変困っている様子だ。
「まずいな……蜂名、これを持っていてくれ」
「何をするの?」
「もちろん彼女を助ける。先に帰っていてもいい」
「止めておきなよガクト」
「困っている女性がいるんだ、放っておけないだろ!!」
「あの人を助ける必要は無いよ」
無表情で女性を眺めながら、蜂名は淡々と言った。
しかしガクトはその言葉を無視し、不良たちへと歩み寄る。
「おい」
「あぁ?」
振り向いた不良達は、ガタイが良く強面のガクトに一度たじろぐ。
「な、何だよおっさん」
「彼女が嫌がっているだろう。離してやれ」
「はぁ?あんたには関係ないだろ!!」
短絡的に殴り掛かってきた1人の拳を掴むと、そのままひねり上げる。
職務上暴力沙汰は避けたいが、他の不良達も襲い掛かる。
これはまずいな……と思った瞬間、襲い掛かってきた不良達がなぜか後ろへと吹っ飛んだ。
何事かと地に伏せた不良を見れば、その顔は真っ赤で、傍らには野球ボール。
こんな芸当ができるのは1人だけだ
「蜂名、助かった」
「別に。ありがとう君達」
素っ気なく返事をすると、貸してくれたであろう高校球児にバッドを返した。
ボールも投げ渡して返す。
その間に不良達はのびている仲間を引きずって逃げて行った。
「あ、あの……」
助けた女性が声をかける。
「あ、だいじょ…… 「ありがとうございました!!」
そう言って礼をしたのは、ガクトではなく蜂名。
「……」
「あなたがいなかったら私……」
目を潤ませて、上目に見ているその顔はかわいらしい。
しかし、蜂名は冷めた目で見下していた。
「今度お礼を…… 「ふざけるな」
その声は冷たい。
「蜂名!!」
「だから僕は言ったんだ。こんなの助ける必要はないって。行こう」
「あ、おい!!……すいません、連れが。お怪我ないようでよかったです。帰る際は気を付けて」
呆気にとられている女性を残すのは少し気が引けたが、なぜか憤慨している蜂名を慌てて追いかけた。
「蜂名、あんな言い方は……」
「僕はすごく今怒っているんだ」
「どうしてそんな機嫌が悪くなるんだよ。普通にかわいい女性だったし、お前にきちんとお礼を言ったじゃないか」
「本当に言うべきはガクトだろ?」
「別に俺は……それに、蜂名が気づかなかったら分からなかったかもしれないし、不良達を倒したのも蜂名だろ?」
「それでも最初に行動に起こしたのはガクトだよ。……はぁ、せっかく楽しい買い物だったのに」
「楽しい買い物って。ただ夕飯の買い出しをしただけだろ」
「それでもガクトと一緒にいられるなら楽しい買い物だよ」
「……」
何を言っているんだ?と怪訝そうな顔をしているガクトを見て、蜂名はため息を吐く。
「ガクトはもっと自分の事をよく知った方がいいよ。周りの事もね」
「何を言っているんだ?」
「本当の事。夕飯楽しみにしているから」
その前にお菓子食べようかな、と言っている蜂名に、頭の中は疑問符だらけだが
「あまり食いすぎるなよ」
とだけ言った。
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