柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「貘さん」
落ち着いている、少し幼い声が聞こえる。目は覚めているが、あえて目を開けない。
「貘さん。貘さんってば」
次はシーツ越しに体を揺する自分よりは少し小さな手。少し困ったような声になっている。しばらくしてその手が離れると、ばさり、と音を立ててシーツが奪われた。瞼越しに太陽の光があたり黒かった世界が白くなる。
「貘さん!!」
大きな声で、貘の体を直接揺する。そろそろ起きないといけないだろうか、と思い瞼をゆっくりと開く。日の光が差し込む部屋の中で、少し怒っている顔をしていた梶の表情が笑顔に変わる。
「おはよう梶ちゃん」
「おはようございます、起きるのが遅いですよ」
「梶ちゃんがおはようのチューしてくれたらすぐに起きるよ」
「やめてくださいよそう言うの」
顔を赤くしているのを見せないようにそっぽ向くが、耳まで赤く染まっているのが見える。
「冗談じゃないの知っているでしょー?」
「……知ってますけど。でもそんな起こし方するわけないじゃないですか!!マルコに見られたら困るんですよ」
「じゃぁマー君がいなければしてくれるんだ」
「揚げ足取らないでください!!」
顔を真っ赤にしたまま梶が部屋を出て行く。貘はベッドから起き上がり、後頭部を少しかく。
「ちょっと怒らせちゃったかなぁ?」
しかし可愛らしいあの顔を見るのは飽きることがない。
どうやって機嫌を取りつつ、またからかってやろうかなと、口元に笑みを浮かべながら梶の後を追いかけた。
PR
美味しい味は愛情から << | HOME | >> 止まった世界の中で |
プロフィール
カテゴリー
P R