柚の樹と螢
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pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
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フロ梶ってよりはフロイド+ショタ梶って感じのほのぼのしい親子(?)を目指す物語……みたいな話になればいいなぁ、って思っています。今回は梶ちゃんは出ていない、どうしてフロイドおじさんが引き取るような感じになったのかって前日談です
捏造しまくっているので注意
捏造しまくっているので注意
無造作にベッドに置いていたスマホが震えだした
それを取り表示されている番号を見ると、二度とかかってくるとは思っていなかった、昔は嫌でも見慣れていた番号。フロイドは数秒それを見つめ、仕方が無しに通話をする。
「……何だよ」
ぶっきらぼうで、無感情な声。電話してきた相手は出るとは思わなかったのか、息をのむ声が聞こえてきた。
「……元気にしていたか?」
「そんな事を聞く為に電話してきたのかよ」
「いや……とにかく、電話に出てくれてありがとう」
「どうでもいい。さっさと用件を言え」
年老いた男の声はためらいがちだったが、はっきりと問いかけた。
「……あいつの、お前の姉の子を、引き取ってくれないか?」
「はぁ?」
突然の頼みに、フロイドは思わず眉を寄せた。
フロイド・リーには血の繋がっていない姉がいる。
父親が再婚した際にやってきたその女は、はっきりと言って性格破綻者だったのをよく覚えている。無駄に金遣いが荒く男の家に行って帰ってこないのはもちろんの事、自分の思うように事が進まなければ暴れ出すろくでなしだった。
両親はそんな姉に怯えていたが、フロイドだけは姉を屈服させるだけの力を持っていたお陰で、姉とは赤の他人のように特に何か話す事もなかった。
そして「子供ができた」と言って男の所へ出て行ったきり、その消息が分からなくなっていたはずだ。フロイド自身も親に嫌気がさしていた事と自身の仕事を考え家を出て行った。それでも番号を教えていたのは、せめてもの情けだったのかもしれない。
「あいつが死んだ」
「……ああそうかい」
姉がどうしていようと興味なかった。
「父親の方が分からなくてな……。子供、隆臣くんと言うんだが、私達はもう年だ。いつ死んでもおかしくない。だからと言って施設に入れさせるのもかわいそうだ」
「俺の負担とか面倒とか関係なしか?」
「血が繋がっていなかったとしても、兄弟だっただろう?」
「あの女の子供なんざ興味ねぇよ」
「頼む」
懇願する弱々しい声。昔からこんな風だったな、とフロイドは思う。
「隆臣って奴はいくつなんだ?」
「来年から小学生だ」
「まだそんな小さいガキなのか……。つーか、手続きだのなんだの面倒だろうが。俺は仕事で忙しいんだ」
「それはわし等がやっておく。だから頼む」
「……1か月だ」
フロイドは仕方が無しに提案する。
「とりあえず1か月は面倒見てやる。それで俺が気に食わなかったら施設にぶち込む。それでだったら考えてやるよ」
「……そうか。いつ会える?」
スケジュール帳を開くと来週しか空きがない。
「来週の金曜なら。そっちに行ってやる」
「分かった……ありがとう」
「うるせぇ」
電話を切り、またベッドに放り投げると深く溜息を吐いた。
「ガキの世話なんて、誰の陰謀だよ」
あのまま拒否してもしつこかったからと、仕方が無しに自分から提案したこととは言え、あの姉の子と一緒にいると思うと苦痛しかない。
「どうせあいつみたいに歪んだガキだから俺に押し付けただけだろうな」
まぁそうだったとしても力の差を見せてやれば大人しくなるだろうと、やや物騒な事を思いながらスケジュール帳に金曜日の予定を、また溜息を吐いて書き込んだ。
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