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柚の樹と螢

柚の樹と螢

pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場 不定期に増えます よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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むるりさんリクエストの絶望的に箸が使えない貘さんとそれを指導する伽羅さん
腐向け成分が希薄ですが、一応伽羅貘に分類しておきます。
これを書くのに辺り、自分の箸の使い方が全くなっていないので苦戦しまくったのはいい思い出です(笑)


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「……おい、嘘喰い。てめぇのその箸の使い方はわざとか?」
「へ?」

とある料亭にて、伽羅は眉間に寄せているしわを更に深め、貘の箸の持ち方と、その持ち方によってほぐされている魚を見た。
箸をクロスさせて使う、いわゆるバッテン箸で持っているせいか、皮と身がグチャグチャに散らかっており、台の上には皿から飛び散った身が落ちている。
一方の伽羅は正しい箸の持ち方、一般的に言われている魚の食べる順番を守って食べているので皿の中が散らかっていない。

「わざとじゃないよ。いつもこうして食べているの」
「お前なぁ……きたねぇよその食い方」
「普通こうなるものでしょ?」

首を傾げて言っている貘の目には、嘘をついている様子は全くない。
本気で言っているらしい。

「俺の食い方見て何とも思わないのか?」
「それは……まぁ、伽羅さんだし?」
「わけわかんねぇ事言うな」

頭をたたけば「食事中のマナー違反だよ」と、涙目を浮かべて頭を押さえる貘にあきれ顔を見せた。

「箸の持ち方直すぞ」
「え~、俺これが慣れているんだけど?」
「汚くて見てられねぇんだよ。これから先馬鹿にされるぞ」
「その時は洋食食べたいなぁ、ってねだっているから平気」
「……」
「あ、嫉妬した?いてっ」

伽羅が立ち上がり、貘の右隣に腰を下ろす。
そして貘の手を取り、箸を取り上げた。

「お箸取られたら食べられないよ」
「正しく持てるようになってから食えよ。こうやって持つんだ」

まず一本だけを鉛筆を持つように握る。
そしてもう一本を親指の付け根に挟み、薬指と小指を添えてしっかりと支えた。

「こうすれば簡単に動かせるだろ」

豆を箸で掴んで目の前まで掲げてみせると、貘は目を輝かせながらその箸の動きを見ていた。

「すごいね!!豆つかめるんだ!!」
「……お前、豆つかめないのか?」
「うん」

一度やらせてみると、上手く箸に力が入らないせいか、豆が滑り落ち転がっていく。

「今までどうしていたんだよ……」
「豆が嫌いって言うか、スプーン使ってた」
「そんなみっともねぇ事これから言うな」

他にもあった里いもの煮物の食べ方を見てみると、迷いなく刺し箸で食べた。
とりあえず一発殴る。

「刺し箸はマナー違反って知らないのか?」
「知っているけど、里いもは仕方がないでしょー!!だってあれ滑るじゃん」
「一口大に切ってから掴めば楽だろうが」
「あぁ、なるほど!!でも上手く切れないよ」
「それは箸の持ち方が悪いから力が入らなくて切れないんだよ」

他の料理でも試してみるが、貘が上手く掴めたものはほとんどなく、伽羅がキレイに掴むと目を輝かせるだけだった。
何度も滑り落として盆や器を汚している貘を見て、伽羅はこれはひどいと改めて思う。

「……これで箸の持ち方がどれだけ重要か分かったか?」
「うん。でも、分かったけどそう簡単にできないよ」
「だからさっき持ち方を教えたんだろうが。一回さっき見た通りに持ってみろ」
「分かった。鉛筆を持つように……「おい待て。なんだその握り方」

貘の持ち方は、親指の関節付近で鉛筆を支える、よく見かける悪い持ち方をしている。

「普通こうでしょ?」
「それだと字も上手く書けねぇし上手く箸も持てねぇだろ。さっきの見たうえでそれ言っているのは俺を舐めてんのか?」
「そんな事しないよ~。だって教えてくれる人いなったし、別に字だって護衛に書かせれば問題ないもん」
「……お前、今まで護衛に書かせていたのか?」

よく考えてみれば、貘が字を書いたところを今まで見ていない気がする。
持っていたペンで一度字を書かせてみると、持ち方が悪いせいか、かなり汚い。
何度も字を書かせてみれば

「もう手が疲れたよ」

と、降参と言わんばかりにペンを手放した。

「持ち方が変だから無駄に力が入って疲れやすくなるんだよ。お前の場合は異常に疲れるのが早いけどな」
「だって俺、肉体専門じゃないもん」
「……これからは特訓だな」
「へ?」

驚いて振り返った貘に、伽羅は嫌な笑みを浮かべる。

「この俺が専属でよかったなぁ……?嘘喰い」
「いや、でもそれって仕事と関係な……「みっともねぇ奴の専属にずっとなるつもりはねぇよ」

こうして絶望的に箸使い、鉛筆の持ち方が悪い貘と、伽羅の特訓が始まるのであった。
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撻器さんと長の組み合わせが大好物な腐女子です
妄想をいただけると勝手に書いていることもあります

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