柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「弥鱈!!洗濯もの溜めるんじゃねぇって前に言っただろう!!……しかも、何だよこのコンビニ弁当のゴミたっぷりな袋の山は!?」
「あぁ……つい」
「ついじゃない!!変な虫が出てくるから片付けるぞ!!」
「私は虫平気ですから問題ありません」
「そういう問題じゃねぇよ!!俺が嫌なんだよ」
定期的に弥鱈の家に行くのが、ある意味俺の仕事になっている。
まぁ、俺も弥鱈も立会人、時間が合わないせいで月に2、3回程度しか行けないが、それにしても毎回酷い。
立会人としての職務以外はどうでもいいという考えのせいなんだろうな。
「ゴミ出しの日が書いてあるカレンダーはあるよな?」
「……え~と、どこかにあったはずですが、無くなりましたね」
「前に俺が置いといた分は?」
「紙のゴミ箱として活用しました」
「……」
ダメだこいつ、早く何とかしないと…。
弥鱈はやればできる方だと思う。
料理はやる気を出して作れば作るし、洗濯物だって仕分けて洗濯するしゴミも分別して片付けられる。
ようは途中まではやっているのに、最後までやらないのだ。
なぜいつもやらないのか疑問だけど、まぁすぐに片付くからどうでもいい。
それに
「片付いてきましたね、巳虎さん」
って、へにゃりと笑う弥鱈がかわ……違う違う、ちゃんとお礼を言ってくれるから、何か来てよかった、って思える。
毎回キレイにしてやってんのにすぐに汚すのは気に食わないが……。
「巳虎さんのご飯は相変わらず美味しいですね」
「当たり前だろ」
今は休憩して一緒に昼食を摂っている。
ゴミは大方出して、洗濯物は外に干してあるから今日の掃除は終わり。
俺の作った料理を味わいながら、弥鱈は外を眺めていた。
「巳虎さん、外寒そうですね。立会勝負が屋外の時は気を付けてください」
「そこまでヤワじゃねぇよ」
「油断大敵ってやつですよ」
「まぁ……それは言えるな。生姜湯でも飲むか」
こうして話しているのは意外と楽しい。
その後は散らばっている本を棚に戻して、ゴミ出しカレンダーを持ってくることを約束した。
「ありがとうございます巳虎さん」
「そう思っているなら、もうちょっとは部屋を綺麗に保て」
ここもまたちょっと経てば汚部屋になるんだろうなぁ……。
「それは無理かと」
「あのなぁ……部屋は綺麗にしておかないと恋人作れねぇぞ?」
元はいいのにもったいない。
でもこいつに恋人ができたら……くそっ、何かモヤモヤする。
「え?」
弥鱈がキョトン、とした顔で俺を見た。
?何だ?
「巳虎さんが私の恋人じゃなんですか?」
「……はぁ!?」
いつそうなった!?
そんな約束した!?
「なんだ、恋人でなければもう片付けに来なくて大丈夫ですよ」
「え?その……」
「巳虎さんと一緒にやっていると、迷惑かけているとは重々承知ですが一緒に家に入れて嬉しい、って思っていました」
「……」
「今までありがとございます。後は自力でがんばります」
こいつ……
「……そこまで言うなら、覚悟はあるのか?」
「まぁ、自力でどのくらい自分ができるのかは不安要素がありますが「ちげぇよ」
「ん?」
首かしげるなっての。
もうこうなったら言ってやる。
「言っとくけど、恋人になった以上今よりも厳しくするつもりだが、キレイな状態を保っていたら家に一緒にいるだけじゃなくて、飯とか適当にでかけたりとかするぞ」
「え?だって、その、あの……?」
「だからちょっとは片付けを努力しろよ?」
「……はぁ」
もうこれは決定事項。
少し動揺して視線があっちこっち移っている弥鱈を見れるなんてレアだなぁ、と思った。
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