柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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撻長風味でデレる長が書きたかったのですが……デレている長って想像つかないから難しいものですね。
頭をぐりぐりと相手に押し付けている行為は書くのが結構好きです
そして無性に旅行に行きたくなりましたが、今年の長期休暇はめっちゃ日にち削られてゆっくり行けそうにないですよふはははwww(白目)
「撻器」
名前で呼ばれるのは、一種の合図。
今日はいつもよりも早かったな、と思い振り返れば、疲れている顔の長が立っていた。
「お帰り」
「ただいま……飯は食べてきたから平気だ」
「メールで教えてもらっていたから大丈夫だ。お疲れ様」
両手を広げ、おいでと撻器が言う。
普段なら冷たい目で見下されるか無視されるかだが
「悪い」
と言うと、その腕の中に納まる。
そしてそのまま胸板へと頭をぐりぐりと押し付けてきた。
「どうしたんだー?」
「……疲れた、もうどこか遠くに行きたい」
「そーかそーか。どこに行ってみたいんだ?」
「静かに過ごせるところだったらどこでもいい……」
「温泉みたいなところはどうだ?」
「いいな……露天風呂で酒を飲みながらゆっくりしたい」
押し付けてくる髪の毛が鎖骨部分に当たりくすぐったい。
しかしこうして甘えてくるのは滅多にないので、撻器は我慢してその頭を撫でてやる。
「酒かぁ。いいな。海がいいのか?それとも山?」
「山がいい。海だと波の音が聞こえるから落ち着かん」
「そうか?魚介類上手いぞ~?」
「魚もいいな……日本酒に合う」
「刺身とか焼き魚とか、海鮮丼いいよな。でも山菜も美味いから迷ってしまうな」
「そうだな……そのままでも美味いが、天ぷらにして食べたい」
「……長、今度本当に旅行に行かないか?」
撻器からの提案に、ぐりぐりと動かしていた頭が止まった。
頭を撫でていた手を、今度は背中に回してとんとん、と優しく叩く。
「あそこ行きたい、ここに行きたいって言っているが、行った試しが今のところないからな。今度時間を作っていくのも悪くないだろ?」
「……」
「あまりにも遠くや何泊も、はちと厳しいが、日帰りか1泊くらいしても罰は当たらないだろう。どうだ?土産に地酒でも買って、旅の思い出を話しながら家で飲むのも悪くないだろ?」
「…………そうしたいけど、無理だ。まだまだ仕事が溜まっている」
そう言ってまた頭を押し付けはじめる。
今回は相当疲れているんだな、と長の好きなようにさせていた。
いつの間にか寝てしまった長を抱きかかえ、ベッドへと寝かせておく。
密葬課を束ねている以上、いつも気が抜けられない長がこうして甘えてくるのは、ここ最近やっと見せてくれた行為だ。
あんな無防備で子供のような姿を見せてくれるのだから、自分は長にとって特別な存在になれたのだろうと撻器は嬉しくなる。
「お~さ、本当に寝ちゃったのか?」
あどけないで寝ている長の頬を突くが、無防備に寝ている。
他の事もやってみたかったが、疲れているのでやめておいた。
起きた頃にはいつも通りの、素っ気ない長に戻っているのだろう。
しかし酔っていたのとは違い、今夜の行為はしっかりと覚えているはずだから、しばらくはきっと気まずそうにしている姿が目に浮かぶ。
「今日は甘えていてかわいかったぞ。おやすみ」
明日からまたがんばれよ、と頭を撫でてみれば、少しだけ嬉しそうに微笑んだ。
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