柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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匠が休日を合わせられたので、2人で買い物に行く。
「どうするべきだろうな……」
「迷うな……」
そう言って眺めているのは歯磨き粉。
新しいものを試したいかどうかではなく、どちらを買うか悩んでいた。
普段はそれぞれ愛用している歯磨き粉があるので、それを使っているのだが、共有した方が消耗は早いがストックはできるだろう、と意見にたどり着いた。
しかしいざどちらかを買おうとすると、どちらがいいのか迷う。
「値段で言えば私、メーカーで言えば撻器だろうな」
「自分が愛用しているのを言うものあれだが、メーカーがいいからと言って必ずいいとは限らないぞ?」
「私も使いやすいから使っているだけだから、こちらがいいとは推薦しにくいな」
「……いつも通りでいいか」
「そうだな。このままだと買い物が終わらない」
それぞれ使っているものをカゴの中に入れ、その他の消耗品や食品もカゴへと入れる。
こうして買い物に行ける日が少ないので、その量は多い。
レジを通し終え、パンパンに詰められている袋をそれぞれ1つずつ持つ。
「この状態でお茶に行くのも居心地悪いな。一回家に帰るか」
「そうだなぁ」
そう言って外へ出ると、吐く息が白くなった。
防寒対策をしているとはいえ、顔には突き刺さるような寒さが襲う。
「そろそろ雪が降る頃だろうな。毎年賭郎では雪合戦をしているんだが、匠も参加するか?」
「毎年けが人が続出してそうだな遠慮する」
「石を入れるのは無いから大丈夫だぞ~?」
「お前達が握った雪玉ならそれだけで凶器だろ」
「ぐはっ!! あ、それとな……」
家までの道のりを、2人は色々な話をしながら歩いて行く。
やがて横断歩道の前までついた。
後は渡って真っ直ぐ進めば家に着く。
「……時に撻器」
「ん?何だ?」
「今、私は右手で荷物を持って、左手が空いている」
「まぁ、そうだな」
「そして撻器も同じだな」
「そうだが……それが?」
「…………やはり何でもない」
何か言いたげだが、諦めたかのように口を閉じる。
撻器は不思議そうに匠の顔を眺め、あ、と声を出した。
それと丁度同じタイミングで歩行者用信号が青になり、匠が足早に歩き出す。
「匠!!」
その空いている左手を、荷物を持ちかえて空いた撻器の右手が掴んだ。
嫌がるそぶりは全くなく、2人はそのまま歩いて行く。
「手を握ってほしいのならそう言えばいいのに」
「……言っておくが、この道だけで普段はだめだからな」
「ぐはっ、分かっているよ」
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