柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「付き合ってくれ」
「賭郎の人間のくせに何言いだしているんだ。断る」
「なぁ、俺のものになれ」
「昨日言ったことを忘れたのか?断る」
「長、付き合うのが無理ならせめて愛してるって言ってくれ」
「お前に言うわけないだろ」
長とはいつもこんな感じ
「何で駄目なんだ?」
「秩序を乱す敵対組織の人間を好きになるわけないだろう」
賭郎の敵対組織の1つである警察に所属している以上、首を縦に振る事はなさそうだ。
しかしそれでも撻器は諦めない。
「もっと理由を教えてくれ」
「私とお前は男同士だ」
「同性愛者を否定するのか?」
「否定はしない。ただ私は同性愛者ではない」
「好かれるのは嫌か?」
「お前に好意を寄せられても嬉しくない」
面倒そうに、そして嫌そうに長は答える。
「ならどうすればいいんだ?」
「……正直に言うが、私は恋愛には疎い。だから、私はお前がやっている事がお前が正しいと思っているならそれも一種の手段だとは思う。しかし私にとってお前の行動は間違っている」
「……」
「足を切断して逃げ出せないようにしたのも、誰にも見つからないように閉じ込めたのも、私に肯定の言葉を言わせたくて暴行を加えたことも、私は間違っていると思っている」
窓ひとつない、重そうな金属製の扉と粗末なベットしか置かれていないその部屋。
そのベッドの上で長は切断され、縫合された腿を撫でた。
きれいに縫合されたそこは化膿する心配はないが、二度と自分の足では歩けなくなってしまった。
「監禁され暴行を加えているうちにお前に従う事を狙っているようだが、私はお前の思い通りになる気はない」
「……何で」
撻器は顔を歪ませる。
「何で、どうして上手くいってくれないんだ?」
「……こんな事がうまくいくわけないだろ。早く私を解放しろ。お前の犯行だとは言わないでおいてやる」
「長が好きで好きで好きで好きでしかたがないのに、何で、何で長は俺のものになってくれないんだ?」
「切間……」
撻器の涙は、冷たいコンクリートの床に落ちた。
それを長は無表情で見ているだけだ。
「長、好きだ」
「私は嫌いだ」
長ははどんなにお金を積まれても、どんなに暴力を振るわれても、きっと自分のものにはなってくれないだろう。
ずっとずっと並行線上。
交わる時なんて、一生来ない。
(嘘でもいいんだ)(愛してる、って言って)
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