柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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外は暗く、人の行き来が少なくなった深夜。
パソコンの画面を睨みつけた視線をいったん外し、目蒲はメガネを外した。
視力が悪いわけではなく、ブルーライトを軽減させるレンズの伊達眼鏡をかけていたとしても目の疲れはある。
「……はぁー……」
どうしてこのような面倒かつ雑務をこんな時間になってもこなさなければいけないのか、それもこれも夜行のジジイのせいだ、と目蒲は思う。
彼に無理やり飲まされたコーヒーにより体調が悪くなってしまった目蒲は、少し休んでいるうちに仕事が増えてしまったのだ。
期限が決まっているものはさっさと終わらせたが、次から次へと増え続ける仕事にはため息しか出てこない。
今日残業すれば終わってしまうが、ずっと集中していたせいだろう、目の疲れや体の節々が痛みはじめる。
体調も万全とは言いにくい、未だに吐き気はある。
しかし、このまま明日に仕事を持ち越せば、自分は夜行に負けた気がしてプライドが許さない。
大きく背伸びをし、またとりかかろうと眼鏡をかけようとした時だった。
むにっ
両頬を両手で挟まれた。
自分より少し熱い手の感触。
こんな事をするのは1人しかいない。
「門っち、何?」
「怖い顔しとるぞメカ。そんな殺気だって仕事する事ないじゃろ」
「あぁ……そんなにひどい顔していた?」
「おう。しかも集中していたせいか、隣に俺が座っていたのに気付いてなかったじゃろ?」
「……」
確かに気づかなかった。
頬を包む手は面白がっているのか、先程から押したり引っ張ったりしてくる。
痛くはないがあまりいじられたくない。
「ひゃめてよひゃどっち」
「ははっ、何言っているのか分からん」
「……そうやって門っちが俺の顔で遊んでいるからでしょ?」
やめてよ、と言っても聞かず、門倉は目蒲のパソコンを覗き込んだ。
「別に明日にすればいいじゃろ。今日中に終わらせる必要ないのに」
「あのジジイに負けた気がするから絶対に今日終わらす」
「……メカ」
門倉は目蒲の口角を斜め上へ引っ張る。
「ひゃどっち」
「もうちっとリラックスせぇ。力入りすぎてできるもんもできなくなるぞ」
「……うん」
大人しくなった目蒲の頬から両手を離そうとすると、その上から手を重ねられた。
「どうした?」
「こういじられるのは嫌だけどさ、門っちの手って意外と心地いいからもうちょっとこうしてよ」
俺だけのリラックス法、と笑う目蒲に門倉も思わず笑い返した。
パソコンの画面を睨みつけた視線をいったん外し、目蒲はメガネを外した。
視力が悪いわけではなく、ブルーライトを軽減させるレンズの伊達眼鏡をかけていたとしても目の疲れはある。
「……はぁー……」
どうしてこのような面倒かつ雑務をこんな時間になってもこなさなければいけないのか、それもこれも夜行のジジイのせいだ、と目蒲は思う。
彼に無理やり飲まされたコーヒーにより体調が悪くなってしまった目蒲は、少し休んでいるうちに仕事が増えてしまったのだ。
期限が決まっているものはさっさと終わらせたが、次から次へと増え続ける仕事にはため息しか出てこない。
今日残業すれば終わってしまうが、ずっと集中していたせいだろう、目の疲れや体の節々が痛みはじめる。
体調も万全とは言いにくい、未だに吐き気はある。
しかし、このまま明日に仕事を持ち越せば、自分は夜行に負けた気がしてプライドが許さない。
大きく背伸びをし、またとりかかろうと眼鏡をかけようとした時だった。
むにっ
両頬を両手で挟まれた。
自分より少し熱い手の感触。
こんな事をするのは1人しかいない。
「門っち、何?」
「怖い顔しとるぞメカ。そんな殺気だって仕事する事ないじゃろ」
「あぁ……そんなにひどい顔していた?」
「おう。しかも集中していたせいか、隣に俺が座っていたのに気付いてなかったじゃろ?」
「……」
確かに気づかなかった。
頬を包む手は面白がっているのか、先程から押したり引っ張ったりしてくる。
痛くはないがあまりいじられたくない。
「ひゃめてよひゃどっち」
「ははっ、何言っているのか分からん」
「……そうやって門っちが俺の顔で遊んでいるからでしょ?」
やめてよ、と言っても聞かず、門倉は目蒲のパソコンを覗き込んだ。
「別に明日にすればいいじゃろ。今日中に終わらせる必要ないのに」
「あのジジイに負けた気がするから絶対に今日終わらす」
「……メカ」
門倉は目蒲の口角を斜め上へ引っ張る。
「ひゃどっち」
「もうちっとリラックスせぇ。力入りすぎてできるもんもできなくなるぞ」
「……うん」
大人しくなった目蒲の頬から両手を離そうとすると、その上から手を重ねられた。
「どうした?」
「こういじられるのは嫌だけどさ、門っちの手って意外と心地いいからもうちょっとこうしてよ」
俺だけのリラックス法、と笑う目蒲に門倉も思わず笑い返した。
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