柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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黒い影が滑るような動きで柱の陰へ回る。
その直後に、その柱に銃弾が撃ち込まれていく。
騙された、と黒い影……門倉は思わず舌打ちをする。
簡単な取り立てだったはずのこの仕事は、護衛の邪魔によって粛清という面倒な仕事に変わってしまった。
裏切った会員をどうしてやろうか、と考えていると
「こんな雑魚に手こずっていたんですかー?」
厭味ったらしい声に、門倉はため息を吐く。
どこから入って来たのかなんて聞いたところで「そんな事も分からないんですか?」とバカにしたように笑うのだろう。
どうしてこいつ……目蒲が来たのだろうか。
「手こずってない」
「何を言っているんだか。私がわざわざ援護に行けと判事からのお達しですよ?」
ほら、と持って来たらしい折りたたまれた紙には、確かに自分、門倉の援護へくるよう記されていた。
わざわざ持ってくるなんて本当に嫌な男だ、と門倉はまた舌打ちしたい気持ちを抑えた。
「問題ない。そのまま帰ってもかまわない。俺1人でどうにでもなる」
「そうしますよ……と言いたいところですが、あいにく仕事なので。本当に不本意な仕事ですが仕方がありませんね」
上司からの命令じゃぁ、とわざとらしく強調する。
こいつとは相性が合わないな、と思いつつ、いったん銃撃が収まった。
「さて、何も打開案がなくこんな柱の陰に縮こまって隠れていたあなたはそこで見学でもしていてください」
終わらせてやりますよ、と目蒲が地面を蹴った。
こんな奴に仕事を横取りされてたまるか、と門倉も地面を蹴った。
「……あぁ、あなたのせいでスーツが血まみれだ」
これ高かったんですよ?と目蒲がうんざりとした表情で言った。
門倉は血まみれになった手袋で煙草に火をつけると、おかしそうに笑う。
「何だ、高いスーツが一着駄目になっただけじゃろ。それともそれしか高いのを持っていないのか?」
「他にも持っているに決まっているじゃないですか。あなたがさっさと仕事を終わらせてくれればこんな事にならなかったのに」
「だったら銃とかオモチャとか持ってくるか、それともそこでご自慢のスーツが汚れないように見学でもしてりゃぁ良かったんだろ。恩着せがましい」
「仕事は全うするのが私ですよ。……ったく、面倒だ」
そう言って長い前髪をかき上げる。
血色はあまりよくないが、整った顔が見えた。
「……」
「なんですか?視線が気持ち悪い」
「いや、どこもケガしてないのか?」
「この程度の相手にケガをするとでも?」
「この程度の相手のせいで血まみれだけどな」
笑ってやれば不機嫌そうに睨みつけられた。
「乗ってけ。血まみれのまま帰るわけにはいかないだろ?」
「部下ぐらい用意させていますよ」
「そうか」
「もうこんな簡単でクソみたいな仕事は回さないでくださいね」
あんたの死ぬ顔が見れるなら面白いだろうけど、と言って目蒲は門倉に背を向ける。
「……ははっ」
門倉はおかしそうに笑う。
死体に囲まれ、腹を抱え大声で笑う血まみれの姿は異様だ。
ひとしきり笑った後
「何だ、あいつは俺の事がそんなに好きなのか?」
人なんて虫けら以下と思っているであろう男に、死に顔を見られたいと言われるなんてな、と今度は不謹慎な笑顔を浮かべた。
その直後に、その柱に銃弾が撃ち込まれていく。
騙された、と黒い影……門倉は思わず舌打ちをする。
簡単な取り立てだったはずのこの仕事は、護衛の邪魔によって粛清という面倒な仕事に変わってしまった。
裏切った会員をどうしてやろうか、と考えていると
「こんな雑魚に手こずっていたんですかー?」
厭味ったらしい声に、門倉はため息を吐く。
どこから入って来たのかなんて聞いたところで「そんな事も分からないんですか?」とバカにしたように笑うのだろう。
どうしてこいつ……目蒲が来たのだろうか。
「手こずってない」
「何を言っているんだか。私がわざわざ援護に行けと判事からのお達しですよ?」
ほら、と持って来たらしい折りたたまれた紙には、確かに自分、門倉の援護へくるよう記されていた。
わざわざ持ってくるなんて本当に嫌な男だ、と門倉はまた舌打ちしたい気持ちを抑えた。
「問題ない。そのまま帰ってもかまわない。俺1人でどうにでもなる」
「そうしますよ……と言いたいところですが、あいにく仕事なので。本当に不本意な仕事ですが仕方がありませんね」
上司からの命令じゃぁ、とわざとらしく強調する。
こいつとは相性が合わないな、と思いつつ、いったん銃撃が収まった。
「さて、何も打開案がなくこんな柱の陰に縮こまって隠れていたあなたはそこで見学でもしていてください」
終わらせてやりますよ、と目蒲が地面を蹴った。
こんな奴に仕事を横取りされてたまるか、と門倉も地面を蹴った。
「……あぁ、あなたのせいでスーツが血まみれだ」
これ高かったんですよ?と目蒲がうんざりとした表情で言った。
門倉は血まみれになった手袋で煙草に火をつけると、おかしそうに笑う。
「何だ、高いスーツが一着駄目になっただけじゃろ。それともそれしか高いのを持っていないのか?」
「他にも持っているに決まっているじゃないですか。あなたがさっさと仕事を終わらせてくれればこんな事にならなかったのに」
「だったら銃とかオモチャとか持ってくるか、それともそこでご自慢のスーツが汚れないように見学でもしてりゃぁ良かったんだろ。恩着せがましい」
「仕事は全うするのが私ですよ。……ったく、面倒だ」
そう言って長い前髪をかき上げる。
血色はあまりよくないが、整った顔が見えた。
「……」
「なんですか?視線が気持ち悪い」
「いや、どこもケガしてないのか?」
「この程度の相手にケガをするとでも?」
「この程度の相手のせいで血まみれだけどな」
笑ってやれば不機嫌そうに睨みつけられた。
「乗ってけ。血まみれのまま帰るわけにはいかないだろ?」
「部下ぐらい用意させていますよ」
「そうか」
「もうこんな簡単でクソみたいな仕事は回さないでくださいね」
あんたの死ぬ顔が見れるなら面白いだろうけど、と言って目蒲は門倉に背を向ける。
「……ははっ」
門倉はおかしそうに笑う。
死体に囲まれ、腹を抱え大声で笑う血まみれの姿は異様だ。
ひとしきり笑った後
「何だ、あいつは俺の事がそんなに好きなのか?」
人なんて虫けら以下と思っているであろう男に、死に顔を見られたいと言われるなんてな、と今度は不謹慎な笑顔を浮かべた。
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