柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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匠は面倒極まりない男だ。
少しでも癇に障ればすぐに機嫌を損ねる女王様のような奴だ。
「匠、ホビロン食べに来ないか?」
「……」
ちょっと聞いてみればすぐに眉間にしわがよる。
どうやら今回は失敗のようだ。
「私がホビロンで釣れると思うな」
「そんなつもりで言っているわけないだろ~。今日はどうした?」
「……鷹さんに怒られた。最近お前の所に行きすぎだって」
思い出すは女傑の老婆。
匠に厳しい言葉を浴びさせるが誰よりも匠を息子のように可愛がっている彼女にとっては、まぁ確かに俺はかわいいかわいい息子に手を出す悪い男に見えるだろう。
「匠は俺の所に来るのが悪い事だと思うか?」
「……別に、そんな事は思っていないけど。ただ鷹さんがホビロンを使って私を倒そうとしていると言っていた。だから釣られないぞ」
「倒す、ねぇ……」
まぁあながち間違いではない。
間違いではないが、そんな下心を持っていつも誘っているわけではない事を理解してほしい。
それを彼女に言ったどころで信じてもらえないだろうけど。
「あのなぁ、匠。もしも俺がお前を倒したいと思っているとしよう。しかし俺はお前の事が好きなんだぞ?そんな奴を俺が倒すとでも?」
「……それは私がお前よりも弱いと言いたいのか?」
あぁまた失敗してしまったか。
うーん今日は諦めるべきなのか。
「そう言っているんじゃなくて、お前の事が大好きだからもっと一緒にいたいって思っているんだよ」
「……」
お、怒っていたのが少しだけ和らいだ気がする。
こうなれば後は何とか上手くいくかもな。
「まぁ今日は駄目みたいだな。また今度良かったら声をかけてくれ」
そう言って背を向けてやれば、裾を引っ張る感覚。
してやったりと思わずにやけるが、にやけ顔を見せたらまた機嫌を悪くなるだろう、我慢我慢。
「どうした?」
「……やっぱり行く」
「お、来てくれるのか?でも鷹さんの事は……」
「撻器が言わなければきっとバレない」
「ぐはっ、俺が言うわけないだろう?」
「なら大丈夫だ。早く家に行ってホビロンを食べるぞ」
機嫌が上がったり下がったりの大変な男だなぁ、本当に。
でもそんなところが好きなんだけどな。
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