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柚の樹と螢

柚の樹と螢

pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場 不定期に増えます よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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脱臼しちゃう鍾会さんな鍾トウくださいってツイートを見た時に「何これ面白い」と思ったのとくださいって事で「これ書いていいんだよね?いいんだよな?」と勝手ながら判断しました。
興味を持ったネタに対してくださいってツイートを見かけた際は勝手ながら書く場合があります、不快に思わせてしまったらすみません


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恋人の肩に寄りかかる

それは恋人同士の甘いシュチュエーションの1つである。
鍾会も男同士だが鄧艾と付き合うようになってからは少しは夢見ていた事だが、大柄な鄧艾にそんな事をする機会があるとは思わず、それにむしろ自分が寄りかかって寝てしまう側だろうとよくツッコミを入れられたものだ。

しかし、今まさにそのシュチュエーションを実行できるチャンスがある。


(……寝ている)

鍾会が横目で鄧艾を見て、珍しい事があるんだな、と思った。
左隣に座っている鄧艾がうつらうつらと船を漕いでいる。
周囲を見回せば自分達の他にいる乗客はまだ少し混雑している。

「さて、どうしようか……」

このまま寝かせていたら首が痛くなるだろう、と自分達が座っている席の向かい側にいる斜め右のカップルが目に留まる。
彼女は疲れているのか、彼氏と手を繋ぎその肩に頭を預けている。
彼氏は彼女の首が痛くならないようにか、少し体を動かして肩の位置を調整していた。

あれがやりたい

鍾会は素直に思った。
ここは電車、たまたま鄧艾殿の頭が自分の方へ来てたまたま頭を預ける形になるって事はありえる事だ、そうだ何もやましい事はない。
そうとなればこちらに少し頭を傾けろ……!!と思うが、器用に鄧艾は首を前に少しだけ倒して眠っている。

(あぁもう!!右に!!こっちに頭を!!)

怨念じみた願いを鄧艾へと送るが、彼は夢の中だ。

少し電車が揺れ始めた、恐らく曲がるからだろう。
その時、鍾会はチャンスだ、と目を光らせる。

(友人を咄嗟に支えるフリをしてこちらに頭を倒させれば……!!)

チャンスは一度きり、これを逃せば今後あるかどうか分からない。
そして大きく電車が揺れた時、鍾会は鄧艾を引き寄せた。

その際に、誤算が2つ
1つは思った以上に力強く引き寄せてしまった事
もう1つは、力の抜けている鄧艾の頭は思った以上に重量があった事だ

ガクッ、と嫌な音が自身の肩から鳴った。
そして走る左肩の激痛

「……っ!!!!」

鍾会はその痛みを何とか声に出さず耐えた。
プライドの高い彼の事だ、声を出すのはみっともないと思ったのだろう。
鄧艾はと言うと、目を覚ます事がなく鍾会の肩に頭を預けていた。

(いや、確かにこんなの求めていたけど!!確かに求めていたけど!!)

しかし脱臼した肩は治るわけがなく、そして何よりも、鄧艾の頭があるせいでよけい圧迫されかなり痛い。
脂汗を流している鍾会に気づいたのか、吊革につかまっているサラリーマンが心配そうに声をかけたが「少し暑いだけですのでご心配なく」と答えた。
着いた駅名を確認するが、まだ目的の駅までは遠い。
肩の痛みと夢だったことが叶った嬉しさが入り混じりながら、鍾会は必死に耐えた。


「すいません、肩に寄りかかって寝てしまい……」
「いえ、別にかまいませんよ」

降りる駅に着いた時に起きた鄧艾は、鍾会に寄りかかって寝ていた事をひたすら謝っていた。
鍾会は何ともない風に言うが、まだ肩は治っていない。

「お恥ずかしい限りで……。今後はそのような事がないようにします」
「だからかまいませんよ。ただし、寄りかかるのは私だけにしておいてくださいね。他の方ですと迷惑ですから」
「……はい」

少しだけ照れたように鄧艾が笑う。
鍾会はその顔をしっかりと目に焼き付けて、いつもと違う道へと進む。

「あれ?鍾会殿の家はあちらの方では……?」
「少し用事があるので、失礼します」
「はい、また明日」

そう言って鄧艾と別れると、速足で接骨医院へと向かう。
もしも脱臼した原因を聞かれた時どう答えようか、と考えながら鍾会はそのドアを開いた。
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撻器さんと長の組み合わせが大好物な腐女子です
妄想をいただけると勝手に書いていることもあります

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