柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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あべさんが「お化け屋敷に行く密葬課の回ください」と書いた時に「ようやく著作権問題とかおでんくんとか謎の道のりから嘘喰い話に辿りつけるきっかけが…!!」とリプしたところ楽しい楽しい妄想ができたので書かさせていただきました(笑)
公式でアホというか天然と言うか……とにかくうん、心を痛めずに久しぶりにこのシリーズ書けて本当に嬉しいwww
今回の密葬は遊園地にてその経営者をトイレに頭を突っ込ませて溺死させる、という明らかに悪目立ちする密葬方法だった。
まぁしばらくは見つからないように個室の鍵はかけてあるが、それでも密葬課メンバーは「これ依頼した奴の神経が全く分からない」と口々に言っていた。
そしていざ帰ろうと言う時に
「せっかくだ、遊んで行こう」
と、匠が突然言い出した。
普段はそんな事を言わなそうな、と言うよりも人が多いところを嫌いそうな匠からの提案に面々は驚いた。
「いや、仕事で来たんだよ?」
「終わったから問題ないだろ?こうしてみんなで遊園地に来ることなんて滅多にないじゃないか」
「ついさっき人を殺したってのに……」
しかしまぁ、この中では一番最年少と思われる嵐堂がわくわくしながら遊園地内を眺めていたのは花と箕輪も知っている。
複雑な家庭環境で育った嵐堂にとって遊園地は一種の憧れを抱いていたのかもしれない、と思うと匠はもしかしたらそれを配慮して言い出したのか、と少しだけ感心した。
「……まぁ、いいんじゃないかい?たまには羽伸ばしにね」
「鷹さんもそんな事を言うなんてねぇ……あたしも別にいいけどさ」
2人の同意を得ると、匠と嵐堂の目が輝いたのを見て、何で課長も目を輝かせるんだよ、と2人は内心ツッコミを入れた。
そんなわけで遊園地を堪能することになった4人は、2人2人に別れて適当に遊ぶことにした。
嵐堂は花を引っ張ってメリーゴーランドの方へ行った。
回っている姿があのオルゴールを彷彿させたのかもしれない。
そして、匠と箕輪はと言うと
「ははは早く出よう!!」
「しがみつかないでくださいよ課長」
お化け屋敷に入って少し進んだ辺りから背中にしがみつく匠を、箕輪は鬱陶しそうにしていた。
「あんた、今までエグい死体を見てきたってのに、何であんなもん怖いんですかい?」
そう言って箕輪が指差したのは、壁にはりつけられている般若のお面だった。
匠はちらりと視線をそちらに向け、すぐに箕輪の背中へ引っ込む。
「そ、そもそもだな、幽霊も普通に怖いけど、本当に怖いのは生きている人間だって言うだろう?」
「はあ……まあ……そうですね。正直言っちまえばよほどの事が無い限り幽霊は無害ですしねぇ」
「それだよ」
「はぁ?」
「幽霊は霊感無いから見えないけど、生きてる奴は見えるだろ!?見えているものって本当に怖いだろ!?般若って生きているんだろ!?実際に出会いそうで怖い!!」
「あのねぇ、課長。普通にあんなのが街中闊歩するわけ無いでしょうが」
もしも闊歩していたらそれはコスプレの一種かそれとも変態しかいないだろ、と箕輪は思った。
「夜中いそうだろ。路地裏に」
「夜中の路地裏って密葬でよく使ってる場所でしょうが……」
呆れたように言うが、匠は青い顔で震えている。
よほど怖いのだろう、その震えが箕輪にも伝わってきた。
「あああもう無理もう無理……。もう一回あれが出てきたらとか思うともう一歩も進めない。目つぶってるから箕輪ゴールまで連れてってくれないか?」
「……密葬課の課長ならこのくらい耐えてくださいよ。付き合ってられませんわ……」
呆れたようにため息を吐くと、しがみつく匠を振りほどいて箕輪は先を歩き出す。
まだ目を閉じているのか
「おい、箕輪どこだ……いるんだろうな箕輪?……えっあれ!?箕輪!?み、箕輪ぁぁぁぁ!!!!」
と、後ろから匠の絶叫が聞こえてきた。
「先を歩いてるのはいいけど…課長大丈夫かねぇ」
あんな情けない課長の姿は見たくなかったので先へと来てしまったが、やはり心配ではある。
心配しているのは匠そのもの、と言うよりは後から来る他の客なりお化け役の職員だったりするのだが。
一度立ち止まり、後ろから聞こえてくる声に集中する。
ギャー!!
ウワッ、ナンカトンデキタ!?
ミノワタスケロ、ホビロンガモウナイ!!
完全に関わりたくない声が聞こえてきた。
「……うん、どうしようかねぇ」
このまま置いて行けばさらに被害が広まり、花にでもバレれば自分が怒られるだろう、確実に。
しかたがない、とため息を吐いて箕輪は来た道を引き返した。
箕輪「世話やかせんでくださいよ課長……」
戻ってみると、その場にうずくまっている匠の姿が見えた。
その傍らには卵の殻が落ちている。
急に声をかけられたせいか、ビクリと震えてから恐る恐る顔をあげ、箕輪の姿を確認すると安心したように立ち上がった。
「箕輪……お前なら来てくれると信じていたぞ……ありがとう」
「課長……」
正直喜んでいいのかどうか分からないが、信頼されている事には少しの感動を覚えた。
のだが
「箕輪……お腹空いたんだけど…タマゴは?」
続いて言われたその言葉に、箕輪はその場でこけそうになった。
「あんたねぇ……」
「だって叫んだからお腹空いてるしホビロンもうないし」
「……やっぱ先行きますわ」
戻ってきた自分が馬鹿だった、と思いまた先を行こうとすると、匠が箕輪の腕を掴んだ。
振りほどこうとするがかなり力強い。
「何でまた先行くんだ!?待って!!」
「しがみつかないでくださいよ」
「もう離さない!離れないぞ箕輪!」
「薄気味悪ぃこと言わんでくださいよ」
仕方が無くそのまま引きずるように歩いていると、曲がり角でチラリとこちらを除く般若の顔が見えた。
それに気づいたのか、匠は絶叫して箕輪にしがみつく。
「あああ角!角!!角!!!!何かいるぞ箕輪!!角!!箕輪!!!!助けて!!」
「あだだだだ痛い痛い痛い」
火事場の馬鹿力と言うのか、とにかく掴む力が強すぎて痛い。
「走れ箕輪!!角が!!角がくる前に!!」
「まずはあんたが離れてくださいよ。走りにくい」
「そう言っておいて私を置いてく気だろ!?騙されないぞ!!」
「いや本当にあんたがしがみついているからそもそも歩きにく……「あんたら何やってんだいっ後がつかえてんだよ!!」
「「い、生きてる人間(本当に怖い方)だーーーー!!!!」」
自分達の背後から突如聞こえてきた、別の場所で嵐堂と遊んでいるはずの花の声に2人は驚き叫んだ。
その言葉が気に食わなかったのか、花は目じりを釣り上げる。
「生きてる人間ってなんだい!!まだ死ぬ気はないよ!!」
(確かにあと100年は生きそう)
(鷹さんホビロンもってないかなぁ……)
「さっさと行くよ!!このごくつぶしども!!」
「ごっごめんなさいっ」
花に怒られたせいか、匠は謝ると勇気を振り絞っているのか、少しずつ自力で前へと歩き出す。
「箕輪!!しっかり課長を連れていきな!!私は嵐堂とコーヒーカップに乗らなきゃいけないんだ」
「えええ〜、ついでに鷹さんが連れて行けばいいだろ?」
「ペアは箕輪、あんただろうが!!……ほら、課長、卵」
「!! 申し訳ない、鷹さん。必ず、私はここから出ていく」
「あんただったら大丈夫だ。それを食べてシャキッとしなよ」
謎の感動(?)のシーンだが、箕輪はそんな光景を見ながら呆れたように呟いた。
「いや、飲食禁止だろ」
まぁしばらくは見つからないように個室の鍵はかけてあるが、それでも密葬課メンバーは「これ依頼した奴の神経が全く分からない」と口々に言っていた。
そしていざ帰ろうと言う時に
「せっかくだ、遊んで行こう」
と、匠が突然言い出した。
普段はそんな事を言わなそうな、と言うよりも人が多いところを嫌いそうな匠からの提案に面々は驚いた。
「いや、仕事で来たんだよ?」
「終わったから問題ないだろ?こうしてみんなで遊園地に来ることなんて滅多にないじゃないか」
「ついさっき人を殺したってのに……」
しかしまぁ、この中では一番最年少と思われる嵐堂がわくわくしながら遊園地内を眺めていたのは花と箕輪も知っている。
複雑な家庭環境で育った嵐堂にとって遊園地は一種の憧れを抱いていたのかもしれない、と思うと匠はもしかしたらそれを配慮して言い出したのか、と少しだけ感心した。
「……まぁ、いいんじゃないかい?たまには羽伸ばしにね」
「鷹さんもそんな事を言うなんてねぇ……あたしも別にいいけどさ」
2人の同意を得ると、匠と嵐堂の目が輝いたのを見て、何で課長も目を輝かせるんだよ、と2人は内心ツッコミを入れた。
そんなわけで遊園地を堪能することになった4人は、2人2人に別れて適当に遊ぶことにした。
嵐堂は花を引っ張ってメリーゴーランドの方へ行った。
回っている姿があのオルゴールを彷彿させたのかもしれない。
そして、匠と箕輪はと言うと
「ははは早く出よう!!」
「しがみつかないでくださいよ課長」
お化け屋敷に入って少し進んだ辺りから背中にしがみつく匠を、箕輪は鬱陶しそうにしていた。
「あんた、今までエグい死体を見てきたってのに、何であんなもん怖いんですかい?」
そう言って箕輪が指差したのは、壁にはりつけられている般若のお面だった。
匠はちらりと視線をそちらに向け、すぐに箕輪の背中へ引っ込む。
「そ、そもそもだな、幽霊も普通に怖いけど、本当に怖いのは生きている人間だって言うだろう?」
「はあ……まあ……そうですね。正直言っちまえばよほどの事が無い限り幽霊は無害ですしねぇ」
「それだよ」
「はぁ?」
「幽霊は霊感無いから見えないけど、生きてる奴は見えるだろ!?見えているものって本当に怖いだろ!?般若って生きているんだろ!?実際に出会いそうで怖い!!」
「あのねぇ、課長。普通にあんなのが街中闊歩するわけ無いでしょうが」
もしも闊歩していたらそれはコスプレの一種かそれとも変態しかいないだろ、と箕輪は思った。
「夜中いそうだろ。路地裏に」
「夜中の路地裏って密葬でよく使ってる場所でしょうが……」
呆れたように言うが、匠は青い顔で震えている。
よほど怖いのだろう、その震えが箕輪にも伝わってきた。
「あああもう無理もう無理……。もう一回あれが出てきたらとか思うともう一歩も進めない。目つぶってるから箕輪ゴールまで連れてってくれないか?」
「……密葬課の課長ならこのくらい耐えてくださいよ。付き合ってられませんわ……」
呆れたようにため息を吐くと、しがみつく匠を振りほどいて箕輪は先を歩き出す。
まだ目を閉じているのか
「おい、箕輪どこだ……いるんだろうな箕輪?……えっあれ!?箕輪!?み、箕輪ぁぁぁぁ!!!!」
と、後ろから匠の絶叫が聞こえてきた。
「先を歩いてるのはいいけど…課長大丈夫かねぇ」
あんな情けない課長の姿は見たくなかったので先へと来てしまったが、やはり心配ではある。
心配しているのは匠そのもの、と言うよりは後から来る他の客なりお化け役の職員だったりするのだが。
一度立ち止まり、後ろから聞こえてくる声に集中する。
ギャー!!
ウワッ、ナンカトンデキタ!?
ミノワタスケロ、ホビロンガモウナイ!!
完全に関わりたくない声が聞こえてきた。
「……うん、どうしようかねぇ」
このまま置いて行けばさらに被害が広まり、花にでもバレれば自分が怒られるだろう、確実に。
しかたがない、とため息を吐いて箕輪は来た道を引き返した。
箕輪「世話やかせんでくださいよ課長……」
戻ってみると、その場にうずくまっている匠の姿が見えた。
その傍らには卵の殻が落ちている。
急に声をかけられたせいか、ビクリと震えてから恐る恐る顔をあげ、箕輪の姿を確認すると安心したように立ち上がった。
「箕輪……お前なら来てくれると信じていたぞ……ありがとう」
「課長……」
正直喜んでいいのかどうか分からないが、信頼されている事には少しの感動を覚えた。
のだが
「箕輪……お腹空いたんだけど…タマゴは?」
続いて言われたその言葉に、箕輪はその場でこけそうになった。
「あんたねぇ……」
「だって叫んだからお腹空いてるしホビロンもうないし」
「……やっぱ先行きますわ」
戻ってきた自分が馬鹿だった、と思いまた先を行こうとすると、匠が箕輪の腕を掴んだ。
振りほどこうとするがかなり力強い。
「何でまた先行くんだ!?待って!!」
「しがみつかないでくださいよ」
「もう離さない!離れないぞ箕輪!」
「薄気味悪ぃこと言わんでくださいよ」
仕方が無くそのまま引きずるように歩いていると、曲がり角でチラリとこちらを除く般若の顔が見えた。
それに気づいたのか、匠は絶叫して箕輪にしがみつく。
「あああ角!角!!角!!!!何かいるぞ箕輪!!角!!箕輪!!!!助けて!!」
「あだだだだ痛い痛い痛い」
火事場の馬鹿力と言うのか、とにかく掴む力が強すぎて痛い。
「走れ箕輪!!角が!!角がくる前に!!」
「まずはあんたが離れてくださいよ。走りにくい」
「そう言っておいて私を置いてく気だろ!?騙されないぞ!!」
「いや本当にあんたがしがみついているからそもそも歩きにく……「あんたら何やってんだいっ後がつかえてんだよ!!」
「「い、生きてる人間(本当に怖い方)だーーーー!!!!」」
自分達の背後から突如聞こえてきた、別の場所で嵐堂と遊んでいるはずの花の声に2人は驚き叫んだ。
その言葉が気に食わなかったのか、花は目じりを釣り上げる。
「生きてる人間ってなんだい!!まだ死ぬ気はないよ!!」
(確かにあと100年は生きそう)
(鷹さんホビロンもってないかなぁ……)
「さっさと行くよ!!このごくつぶしども!!」
「ごっごめんなさいっ」
花に怒られたせいか、匠は謝ると勇気を振り絞っているのか、少しずつ自力で前へと歩き出す。
「箕輪!!しっかり課長を連れていきな!!私は嵐堂とコーヒーカップに乗らなきゃいけないんだ」
「えええ〜、ついでに鷹さんが連れて行けばいいだろ?」
「ペアは箕輪、あんただろうが!!……ほら、課長、卵」
「!! 申し訳ない、鷹さん。必ず、私はここから出ていく」
「あんただったら大丈夫だ。それを食べてシャキッとしなよ」
謎の感動(?)のシーンだが、箕輪はそんな光景を見ながら呆れたように呟いた。
「いや、飲食禁止だろ」
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