柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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外は連日の雨だ。
密葬するのにはもってこいの日だが、濡れるのは嫌だな、とマグカップを片手に匠は窓の外を見ていた。
湿気のせいか、蒸し暑い空気を何とかしようと除湿機に手を伸ばす。
「嫌な湿気だな」
ボタンを押す寸前にそんな声が聞こえてきた。声の方向は、床。
見てみれば撻器が床へ寝そべっていた。手足を投げ出しており、動く気配は全くない。
「普通にソファにでも座っていろ。床に張り付いたってこの蒸し暑さはどうにもならない」
「ソファに座っても蒸し暑いのは変わらないだろ?」
「お前のせいで床がベタベタするからやめろ」
「そんな人を汚いものみたいに言うな!!」
そう言って起き上がると、トレードマークである尻尾髪がいつもよりへたっている事に気づいた。
この湿気のせいなのか、少しだけ重そうに見える。
「元気がないな」
「そうか?」
「お前じゃなくて、その尻尾髪がだ」
「あぁ……湿度が高いとどうしても垂れ下がるんだ」
邪魔で仕方がない、と横へ払う。
「なら切ればいいじゃないか」
「何で切らなければいけないんだ?」
「邪魔なんだろ?」
「普段は邪魔じゃない」
「……なら団子にでもしてろ」
除湿機の電源ボタンを押し、ソファへと座る。
撻器もその隣へと座った。
「床に這いつくばっているんじゃないのか?」
「そんな言い方をするな!!」
「実際に這いつくばっていただ……」
言葉が途切れる。
匠の目は、撻器の尻尾髪を凝視している。
何故か、逆立っている。
先程まで垂れ下がっていた尻尾髪がピンと逆立っており、この超常現象はどうして起きたのかと見つめている。
「ん?どうした?」
「いや……」
目を擦りもう一度見ると、逆立っていた尻尾髪がまた垂れ下がっていた。
匠は少し考え
「撻器、今度どこかでかけようか」
「え?」
「たまには一緒に出掛けたい」
「……ぐはっ!!そうかそうか!!よし、雨が降っていない時がいいな。その時にでかけよう!!」
また尻尾髪を見てみると大きく揺れていた。
感情と直結しているそれを見て、匠は笑みを作る。
「分かりやすいな」
「ん?」
何の事だ?と首をかしげた撻器に、何でもないと匠は答えた。
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