柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「丈一、ルービックキューブ」
「かしこまりました」
執務室で書類に目を通していた創一が片手を丈一へ差し出すと、すぐにルービックキューブを渡される。
ものの数秒で全面揃えたそれを机に放り投げても何も言わず、次のルービックキューブを渡した。
それを何度かやりとりすると、一通り目を通し終わった創一が大きく伸びをする。
「外に遊びに行きたいな。ちょっとどこか出かけようよ」
「それでしたら1時間ほど時間が作れますね。車を手配しておきます」
「……丈一はいつだって僕の命令を忠実に応えるよね」
何の気なしに言った言葉に、当然のことです、と丈一は返す。
創一は今まで命令してきたことを思い出してみるが、どれも期待通りかそれ以上の働きで、不満に思ったことが一度もないなぁ、と呟いた。
無茶な命令、というよりも我儘を言ったこともあるが、それも難なくやってのけている。
「外で遊びたい、なんて棟耶さんに言ったら怒られることも丈一はやってくれているし、僕は息抜きができて助かっているよ。ありがとう」
「礼を言われる程の事ではありません。お屋形様付きとして当然の事です」
「ふぅん。それって僕が何を言ってもお屋形様だから、ってやっているだけなわけ?」
そしたら僕以外にもこんな態度なのか、と思うと創一は途端に不機嫌になった。
そんな創一に丈一はクスリと笑いながら答える。
「いえ。創一様がたとえお屋形様でなくても、私に叶えられる命令であれば全て叶えましょう」
「本当に?」
「えぇ」
「なら、キスしてよ」
突然の命令に丈一は一瞬息を詰まらせた。
無茶な命令をされる事は確かにあったが、このような事を言ったのは初めてだったので本気か冗談か、判断に決めかねて質問する。
「何故そのような命令を?」
「丈一は僕の事好き?」
それに対して当然です、と答える。
「ならさ、僕の事好きで命令は何でも聞いてくれるんでしょ?なら、キスしてよ」
「……その命令には応えかねます」
「さっき叶えられる命令は全て叶えてくれるって言ったじゃん」
「そうですが」
正面にひざまずくと、創一の顔を両手で包む。
「私個人としては、お屋形様の命令、ではなく切間創一様個人のお願いでしたら叶えてあげましょう」
「……丈一ってたまにイジワルだね」
「創一様ほどではございません」
「僕いじわるじゃないし。……じゃぁ、丈一、お願いだからキスしてくれる?」
わざとらしく上目使いでお願いしてみれば、丈一はまた笑って
「そのようなかわいらしいお願いをされたなら、叶えるしかありませんね」
とその顔を近づけた。
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