柚の樹と螢
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切間撻器の場合
「そーしん、と」
「父さん、何か機嫌がいいね」
「あぁ、これから長と飲みに行くんだ」
「長?あぁ、密葬課の?」
「そうだ。創一も一緒に行くか?」
「遠慮しておく。……最近、その人と一緒に行動していることが多くない?」
「ん?ん~……言われてみれば」
「前までは食事に行くのは面倒だって言っていたのに珍しいね」
「家に帰れば自分で自分の好きなもの作って食べられるからな。でも、長と一緒に飯は楽しいんだ」
「へぇ、食べる物で文句は言われないの?」
「『バロットが食べたいのだが』って言うんだけど、俺の言った店に一緒について行ってくれるし、俺の好きな食べ物がある店に連れて行ってくれる事もあるんだ。宅のみした時にはバロット以外のつまみも用意してくれていて楽しかったなぁ」
「え?ちょっ、父さん課長と宅のみしたことがあるの?」
「あれ?言わなかったか?」
「聞いてないよ。あの人って酔ったりはするの?」
「するする。俺よりも強いから中々見れないが、意外と甘えん坊なんだろうな。抱きついてきてかわいいんだ」
「……は?え?」
「そのまま寝落ちして判事に怒られたこともあったなぁ。『酒臭い』って」
「…………と、父さん。あの人とつきあっているの?」
長の場合
「……今日は上がらせてもらう」
「珍しいですね、課長が俺達よりも先に上がるなんて」
「笹岡から呼び出しかい?」
「いや、切間からだ」
「切間?……あの零號ってやつか?何でそんな奴に」
「飲みに行かないかと誘われていくことにした」
「……え?あの課長が?」
「あんた、笹岡の野郎の飲みだって殆どことわっているじゃないか」
「切間は騒がしいが飲む相手としてはいい。強い方だから酔いつぶれる心配がない」
「あ~……なるほど」
「それに色々な店を知っているから飽きることがないな。あいつのセンスはいい」
「え?飲みに何回も行っているんですか?」
「まぁ、そうだな。あとは宅のみが多いな」
「……どっちの家に?」
「基本的には俺の家だ。あいつの家でもいいと言ってくれるが、仕事を考えるとな。それに俺の作ったつまみを喜んで食べてくれるから作り甲斐がある」
「へ、へぇ……。ちなみに、相手は酔うとどんな感じで?」
「ひたすら口づけをねだってくる」
「「……!?」」
「いつもヘラヘラ笑っているが本当に力が抜けきった感じで笑ってねだってくるのは、まぁ嫌いじゃない」
(おい、切間って男だよね……?)
(た、確かそうだったような……)
「か、課長と切間は付き合っているんですか……?」
「え?ないない、そんなわけないだろう創一」
「は?何でそうなるんだ?そんなわけがないだろう」
「「あいつはただの飲み友達だ」」
ヤンデレ弥鱈に愛されている巳虎 << | HOME | >> 期間限定の逃避行 |