柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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先程まではしゃぎまわっていたマルコがソファで寝ているのを見かけて、梶は寝室から毛布を持ってきてそっとかける。
ベッドまで運びたいが梶と貘では運べないし、伽羅はカールと共にどこか出かけてしまっているのでしかたがなくソファで寝かせるしか選択肢が無かった。
「お腹も出して……」
そう言って服を正してやると、後ろからくっくっくと貘の笑い声が聞こえてきた。
「何で笑っているんですか貘さん?」
「いやぁ……梶ちゃんがマルコのお母さんみたいに見えて」
「お母さん?そんな事ないですよ」
「あるある。毛布かけてあげたり服を直してあげたり……けっこうマルコの世話しているよね」
言われてみれば、マルコの事をよく注意しているのは自分が一番多いような気がする。
しかしお母さんと言われて嬉しい、と言うよりは気恥ずかしさがあったので、梶も言い返した。
「それを言ったら、貘さんはマルコのお父さんじゃないんですか?」
「俺がお父さん?」
「まぁ、貘兄ちゃんって呼ばれていますけど……マルコって一番貘さんに甘えていますし貘さんに色々聞いていますよね」
貘の言う事なら一番聞いている辺り、やはり自分よりも上の立場の人だからと自覚しているからだろう。
そしたら自分はお母さんってよりは世話好きなお兄さんの立場が合っているような気がする、とふと思った。
「俺がお父さんねぇ……。悪くないかも」
「僕が物心ついたころに父がいなかったので何とも言えないですけど、いいお父さんだと思いますよ?ギャンブル大好きですけど」
「俺は勝ち続けるギャンブラーなんだから問題ないでしょ?でも、本当に家族みたいでいいよね」
そっとソファまで来ると寝ているマルコの頭を撫でる。
「マルコにとって梶ちゃんがお母さんで俺がお父さんかな?家族ってこんな感じなんだろうねぇ」
その言葉に、梶は急に顔を赤くした。
「ば、貘さん僕達夫婦なんてまだ早いですよ!!そんな、まだ付き合ってもいないのに……」
「え?」
「……あっ、いや何でもありません!!すいませんバカみたいな事を言って……」
慌てて手を振るが、貘は笑みを深めた。
「何だ、梶ちゃん俺のお嫁さんになりたかったの?言ってくれればためらわなかったのに」
「いや貘さんにだってお嫁さんを選ぶ権利が……え?」
「梶ちゃんから誘ったんだから、もう我慢する必要なんてないんだよね?」
肩を掴まれ、段々と顔が近づいて行き―――
「……貘兄ちゃん、カジ?」
「「……」」
「どうしたの?」
助かった!!と言わんばかりの梶と残念そうな顔をしている貘の、2人の顔を交互に見る。
「マー君は大切な家族だよね~、って話していたんだ」
「うん!!貘兄ちゃんもカジも大切な人!!」
「だよね~。今度3人でどこかでかけようか」
嬉しそうに笑っているマルコに癒される。
そして、貘が
「子供に邪魔される夫婦の気持ちってこんな感じかな?次は絶対に逃さないからね?」
と、楽しそうに囁いた言葉にまた顔を赤くした。
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