柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「貘さん」
ポタポタと髪の毛から水滴を落としながら、蜂名ことハルが貘の元へやってきた。
水滴を落としている事を怒らず、やっぱりね、と苦笑して読みかけの本を閉じる。
「はいはい。分かったから擦り寄らないでね~。濡れるから」
ドライヤーとタオルを持つと、ハルをソファに座らせ、自分はその後ろへ立つ。
水気をたっぷり含んだ髪にタオルを当てて、一度水気をとる。
「前から言っているけど、ハルは何で自分で髪の毛乾かさないの?」
「だって貘さんがやってくれるからいいかなぁ、って思って」
タオルで頭を拭かれているハルは嬉しそうに言った。
貘は呆れているが、その手つきは丁寧だ。
まだ湿り気がある髪にドライヤーを当てて乾かす。
しばらく静かにしていたが
「僕も貘さんみたいな色にしてみようかな」
と、急にハルが言った。
貘は少し驚いてその顔を覗き込む。
「染めたいの?」
「うん。貘さんの髪の色って透き通っていて綺麗だよね」
僕も真似したいなー、でも似合うかな、と言っているハルの髪に櫛を通す。
染めた事がない黒髪は途中で引っ掛かる事がなく、艶がありとてもキレイだ。
「俺はこのままでいいと思うけど」
「そう?」
「黒髪綺麗だと思うし。まぁ、ハルの自由にすればいいよ」
「そっかぁ……。貘さんに褒められたから、やっぱ染めるのやめようかな」
「意外と単純だな」
「好きな人に褒められたらそのままでいたいじゃん」
「かわいらしい事言うんだな」
「貘さんの前ではいつだってかわいいでしょ?」
「何言ってんだか」
その後もプーヤンの難しさについて話していたが、ハルがふと何か気づいたかのような表情を見せた。
「ねぇ、髪の毛傷んだら、もっと乾かす時間って増えるのかな?」
「?そうかもしれないけど……やっぱり染めたいの?」
「ん~。染めたいって言うよりは、こうして貘さんに髪の毛乾かしてもらっていたいんだよね。この時間、すっごく幸せに感じるから」
僕愛されてるなぁって感じるんだよ、とハルは笑う。
「……本当にハルってかわいい事言うよね」
ソファ越しに抱きつくと、くすぐったいよと返事が返ってきた。
「ハルがかわいい事言うのが悪い」
「……貘さん、今顔真っ赤でしょ?だから見えないように抱きついてきたんでしょ?」
「……違うよ」
「嘘つき。図星なんだ~」
「うっせ!!こうしてやる!!」
「ちょっ、くすぐり禁止!!」
((まぁ、いつでも一緒にいる時は幸せだけどね))
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