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柚の樹と螢

柚の樹と螢

pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場 不定期に増えます よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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もしも撻器さんが一生懸命な看病ヘタだったら私が美味しい
課長と撻器さんが好き過ぎて生きているのが辛い←


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長が風邪をひきました。

「どどどどどどどど、どうすればいいんだ!?救急車か!?救急車ぁぁぁぁああ!!」
「何でその場で叫ぶんだ……救急車呼ばなくても大丈夫だ。そこまで酷くない」

慌てた撻器が窓を開き、そこから大声で叫び出す。
近隣住民がいないからいいものの、その様子を冷めた目で長は見ていた。

「本当か?本当に大丈夫なのか!?俺は熱が出るたびに病院に運ばれたぞ?」
「大事にされていたんだな。それ以前に、何でお前は私の家に入っているんだ?」
「合鍵持っているのを忘れたのか?」
「勝手に複製するな、返せ」

ベットから起き上がる気力もなく、枯れた声を出しながら力ない手が撻器の服を掴む。
その手をそっと外すと、心配そうに顔を覗き込んだ。

「喉も傷めているようだな……ねぎを巻くか。冷蔵庫には入っているのか?」
「入っているが……何するつもりだ?」
「あの気色悪い食べ物以外の物も入っていたのか……。切って少し焼いたら、布に包んで首に巻くんだ。結構効くぞ」
「聞いた事はあったがそうやって巻くのか。そのままねぎを首に巻くものだと思っていた」
「ぐはぁ、俺も最初はそう思った。意外と効くから待っていろ」

キッチンの方へと行ってしまった撻器の後姿を見送り、体温計を脇から取り出すが、今朝から一向に下がる気配が無い熱にため息しか出ない。
今日中に下がらなければ、明日も休む羽目になり仕事に影響が出てしまう。
それよりも、あの撻器にキッチンを使わせてしまった自分の判断力の低下の方を心配すべきか、と天井をぼんやりと見つめる。

何か嫌な感じの音は聞こえてきたものの、無事にできたのか細長く折りたたまれている布を持ってきた。
嫌な音の事を聞こうか思ったが、今はこれ以上病を重くさせる気はなかったので明日どうにかしようと決めた。

「自分でやる」
「力入らないんだろ?巻いてやる」
「……キツく巻くなよ」
「そんな事くらい分かってる。……どうだ?」
「ゆるすぎだろ……」
「こうか?」
「少し息苦しい」
「……長は注文が多いぞ」
「だから自分でやると言っただろう……」

何度かやり直させて、やっとちょうど良い具合に巻かれたのでこのままもう寝てしまおうかと思うと、今度はベットの中に入ってくる撻器を一瞥する。

「何している?」
「ほら、こう病気の時はひと肌恋しいだろ?一緒に寝てやる」
「恋しいわけあるか。さっさと出てけ」
「いーやーだ!!今日は長の隣にいる!!」

力が出ない事をいい事にしっかりと抱きしめてきた撻器をどうやって追い払おうか、と思った際に

「……おい、切間」
「ん~?」

脇腹を緩く撫でてくる手を掴むが、すぐに振り払われ、その手は腿へと移動する。

「……なぁ、知っているか?汗をかくと治りが速いらしいな?」
「…………俺はする気がないぞ」
「まぁ、俺に任せておけ。じっとしていたって汗は出る」

睨みつける長の首筋を強く吸いつくと

「さて、看病しないとな」

と、とてもいい笑顔で撻器が言った。




「……喉がいたい」
「自業自得だバカ」

次の日、そこには体調が良くなった長と熱を出している撻器の姿があった。

「おい、ホビロンを何で持っているんだ?それをどうするんだ?」
「知らないのか?ホビロンは滋養強壮の効果があるんだぞ?」
「……悪かった、俺が悪かった。だからそれは止めてくれ」
「さっきも言っただろ?自業自得だと」

そう言って殻を割り始めた長の顔は、珍しく笑顔だった。
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プロフィール
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柚樹 螢
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女性
自己紹介:
撻器さんと長の組み合わせが大好物な腐女子です
妄想をいただけると勝手に書いていることもあります

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