柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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勝負事をやっている時の嘘喰いはいつも気を張っている。
一瞬でも相手の隙を見逃さないようになのか、余裕ある態度もそれを悟られないように演技している姿は、ガキのくせになかなかやるな、とその姿を見て思う。
「……ん~、終わった」
対戦相手が黒服達によって部屋から連れ出された後、大きく伸びをして俺に笑いかける。
笑いかけてきたとしても俺が笑みを返す事はないし、嘘喰いも反応を期待していない事は知っている。
「また勝った」
「そうだな」
「……ちょっとは褒めてくれてもよくない?」
「勝ち続ける姿を見せるって言った奴が何言っていやがる」
「ははは、それもそうだね」
でも凄いなぁ、ってちょっとは褒めてくれてもいいじゃん、とわざとらしく肩をすくめた。
ほめられたいとはガキか、と思ったがよく考えればまだこいつは20にも満たないガキだった。
「ねぇ、伽羅さん。ちょっとだけお願い聞いてくれる」
「あ?お願い?」
「とりあえずさ、こっちのソファに座って」
自分が座っている1人用ではなく、その右隣にあった2人掛けの方を指差す。
特に断る理由もないので座ってみれば、その隣に嘘喰いが座り、俺の肩に頭を乗せる。
「硬いね」
「頭を載せるな。邪魔だ」
「ちょっとはいいでしょ?いつも頑張っている俺のワガママ聞いてよ」
「お前に頑張ってほしいなんて俺は一言も言ったことはねぇぞ」
「もう、とにかくいいでしょ!!専属立会人なら言う事聞いて」
「こういう時の専属立会人じゃねぇだろ」
視線を横にずらしてみれば、すでに嘘喰いは目を閉じ、静かに寝息をたてていた。
こんな場所で何で寝るんだ。
「……」
ここでやっていくには、常に気を張りやっていかなければ飲み込まれる世界だ。
こいつがどういう経緯でこの世界に入ったのかは知らないが、まだこんなガキには精神的に摩耗していく、弱肉強食な世界。
「……ちっ、ガキが」
こんな無防備な面晒して寝てんじゃねぇよ、襲うぞ。
「伽羅立会に……」
車の用意ができたので伽羅立会人を呼びに行くと、そこにはあり得ない光景があった。
伽羅立会人に体を預けている斑目様
そしてそれを受け止めている伽羅立会人
「……何だ?」
「いや、その……車の用意ができました」
「そうか。おい、嘘喰い」
斑目様の体を少し揺すって起こそうとするが、起きる様子はない。
と言うよりも、伽羅立会人なら殴ってでも起こすと思っていたのに。
「……ちっ、こいつも連れていく」
「は、はっ!!分かりました!!」
あり得ない。
あの暴力の象徴と言ってもいい伽羅立会人らしくない。
一体何が起きているんだ?
私が知ったところでどうしようもないが。
「後お前」
「はい」
「後で話がある」
何気ないように言った一言。
だが、その一言で私の今後が確実に決まった、と背筋が凍った。
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