柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「門っちは絶対にあのコーヒー飲むなよぉ……」
「分かった分かった。それはもう何十回も聞いた」
「それだけじゃ足りないっての!!あのくそジジィめ……」
目蒲が新しい缶のプルタブを開ける。
酒に強いとは知っているが、ペースが速いせいかいつもよりも飲んでいる数が少ないのにすでに顔が紅潮している。
「もうあいつを殺すしか平和を手に入れる方法がないっての!!」
「平和的解決法ではないが、まぁそれしかないじゃろうな」
門倉は飲んだことがないが、夜行のコーヒーの恐ろしさは聞いた事がある。
しかしどうして目蒲ばかり狙われているのかが不思議だ。
「メカもメカで断ればいいじゃろ」
「……そうしたらあのジジィに負けたようでムカつく」
「ははっ、なるほど」
完璧を当たり前と思っている目蒲にとって夜行のコーヒーだから、と逃げるのは自分のプライドを傷つけるらしい。
何かが壊れてしまったくらいなのに、それでも立ち向かうその姿には脱帽せざる負えないな、と門倉も新しいビールへと手を伸ばす。
「こうやって酒飲める元気があるんじゃからいい方か」
「まぁねー。これで門っちと酒飲めなくなったら辛い」
「何じゃその告白みたいなもんは」
まぁメカならいいけどな、と笑いながら缶ビールをあおると、目蒲は酒で蕩けきった目で門倉を見つめていた。
「……何じゃ?」
「門っちさぁ……」
まさか本気で……?と若干身構えるが、目蒲はふにゃりと、普段の彼なら絶対に見せないだろう笑顔を門倉に向けた。
「いい奴だよね」
「……そうか?」
「うん。俺は賭郎に入って門っちと会えて良かったよ」
あのジジィのコーヒーは余計だけど、と酒を飲み干す。
「そんな恥ずかしい事よぉ言えるのぉ」
「あはは、だって門っちいなかったらこうやって楽しく酒飲めないしねぇ」
「メカ、このまま酔いつぶれて後は俺に任せる気か?」
「ん~、それはやらないよ。迷惑かける気ねぇし」
でも泊めてくれるでしょ?と目蒲が聞く。
「まぁな。ほれ、もっと飲め飲め」
隙を見せないこの友人の姿を見れるのは自分だけかもな、と不謹慎な笑みが出た。
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