柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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初めての丈泉です。
泉江さんって初対面の人に文字だけ見られたら【いずみえ】さんって間違えられそうだなぁ、って思ったのと女性だからと軽視されていて苦労していそうだなぁ、ってのを妄想した際にできました。
丈一さんが何か別人っぽいです注意。
泉江さんって初対面の人に文字だけ見られたら【いずみえ】さんって間違えられそうだなぁ、って思ったのと女性だからと軽視されていて苦労していそうだなぁ、ってのを妄想した際にできました。
丈一さんが何か別人っぽいです注意。
「本当にもう……何でこんなにも女だからと見下されなければいけないんですか!!」
高級そうなローテーブルに安物の缶ビールを叩きつける。
中身がこぼれる事はなかったが、その行動に丈一は顔をしかめた。
「泉江。乱暴に叩きつけるな」
「そうしたくなる事もあるんですよ!!」
いつもとは違う態度にため息を吐きながら耳を傾ける。
泉江はもう何本目になるのか分からないビールのプルタブを開けた。
「名前は間違えられるし、女だからって【賭郎は色仕掛けで交渉するのか?】ってバカにされますし……賭郎はそんな程度の低い組織じゃありませんし、私の名前は【みずえ】なのに!!」
「まぁ、文字だけ見れば【いずみえ】とも読めるからな」
「それが初対面の方だと毎回ですよ!?」
「そうか」
ギャーギャーと騒がしく愚痴る泉江を丈一が一喝することはない。
彼女がこうして感情をむき出しにすることは、とても珍しい事だった。
泉江は女だからと甘える事は一切しない。
そもそも、賭郎にいる以上女だろうと子供だろうと一切の関係がなく、実力がある者しか生き残れない。
その中で泉江は外務卿として外部組織との交渉、場合によっては自らも戦闘に参加している。
その意志の強さと実力は丈一も認めており、だからこそ、滅多に弱さを見せない泉江の愚痴を聞いているのかもしれない。
「……もっと分かりやすい名字になれば良かったです……」
「名刺に読み仮名でもふっておけ」
「それしかないんですかね……」
酔いのせいか、その目が蕩けきって今にも閉じられそうだ。
うつらうつらとしている泉江が前のめりに倒れないよう、隣に座る。
「……まぁ、1つだけ簡単に名字が変わる方法がある」
「何ですかぁ?」
泉江が丈一にもたれかかった。
振り払う事はせず、その肩に手を回した。
「結婚でもするか?夜行ならそう簡単に間違えられない」
蕩けきっている上目遣いの目と、冗談で言ったのかそれとも本気なのか分からない目で見つめ合う。
「……バカな事を言ったな。忘れろ」
肩に回された手を離そうとすると、そっと泉江はその手の上に自らの手を重ねた。
そして
「丈一さんと同じ名字……いいですね」
とっても素敵です
力の抜けた、まるで幼い少女のような笑顔を浮かべると、そのまま目を閉じて寝息を立てる。
「……何が素敵だ、年の差を考えろ、この小娘」
顔をしかめたままだが、その口元は少しだけ笑みが浮かんでいた。
「……夜行掃除人、ご迷惑をかけました」
「やっと目が覚めたか。さっさと飯を食べたら帰れ。着替えなければいけないだろ?」
「はい……それと、その。昨晩は何かご迷惑を……?」
「……」
「夜行掃除人?」
「別に何もなかった。顔を洗って来い。酷い顔しているぞ」
「すみません、お借りします」
何やら幸せな事を言われたような気がしたが、それを思い出す事ができない。
それが残念に思ってしまうのは何故だろう、と痛む頭を押さえながら洗面所へと向かう。
洗面所で顔を洗った際に、その左手の薬指に赤い紐が結ばれているのに気付くのは、もう少し後の話。
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