柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「ガクト」
「駄目だ」
蜂名と額人が並んで歩く。
先程から同じ問答を繰り返しているようだが、それでも蜂名は言う。
「1回だけだよ。キスしてくれたっていいじゃん」
「他の誰かが通るかもしれないのに駄目だ。それに、今は仕事中だ」
素っ気ない態度の額人に蜂名は露骨に不機嫌になった。
「僕達恋人同士なのに、駄目なの?」
「さっきも言ったが、今は仕事中だ。下手にスキャンダルになれば俺もお前も危ない」
「大丈夫だよ、誰も見ていない」
「どこで何があるかは分からないだろ」
「……ガクトのバカ、意地悪、強面。僕はガクトが好きだからキスしたいのに」
「蜂名」
苦笑交じりの声が聞こえたが、そのまま無視して背を向けるように前を歩き出す。
少し歩いてから後ろから肩を叩かれた。
「蜂名、こっち向け」
額人に名前を呼ばれる。
「……僕は今怒っているんだよ」
「それは知っている」
「だからガクトの言う事を聞くと思う?」
「聞きたくないとは思うけど、俺のお願いを聞いてくれるか?」
少し間を置いてから振り返る。
額人の顔が近い。
「ガク、」
反射的に目を閉じると、唇にではなく、頬に柔らかな感触を受ける。
「今はこれで我慢してくれ。な?」
頬にキスをされた。
キスされた頬を手で触れる。
触れられた箇所が少しだけ熱くなっている気がする。
「……もう、ガクトは本当にずるい」
「ズルいのはお前の方だよ。キスさせたくなるような事言うからしちゃっただろ」
仕事中はプライベートを持ち込まないようにしていたのに、とガクトは苦笑する。
「機嫌治ったか?」
「……まだ。家に帰ったらいっぱいキスしてくれたら考えてあげてもいい」
「じゃぁ家に帰るまで仕事がんばろうな」
「うん」
満面の笑みを見せた蜂名に、思わずガクトは頬にまたキスをした。
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