柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「何故キスをしてくれないんだ」
「逆に聞くがどうしてキスしないといけないんだ」
馬乗りになり、キスしようと顔を近づけてくる匠を撻器は必死で押し返していた。
またがられている以上逃げ出す事はできず、とにかく自分の力を最大限まで使って阻止する。
「私はお前の事が好きだ」
「それは前にも聞いた。だが俺は女性が好きだと……」
「好きだからキスしたい」
「俺の気持ちは無視か!?」
「嫌なのか?」
首を傾げて聞かれると嫌とは言えない……って事は無く、同性愛を考えた事が今までない撻器は首を縦に振った。
「悪いが、俺は女房がいたし、男を好きになるって事はない。諦めろ」
「そう簡単に諦められるのならこんな強硬手段はとっていない」
「あ、自覚はあったのか」
「当たり前だ。好きな奴にこうも避けられれば嫌でも分かる」
「だったら俺の気持ちを理解した上でこのような事はしてほしくないんだが」
「……」
匠の力が更に強くなった。
撻器は驚き、必死にまた押し返す。
「さっきの言葉聞いた!?」
「私の気持ちを理解した上でキスをすべきじゃないか?」
「いやごめん意味が分からない!!何でそうなる!?」
しろ、しないの攻防がしばらく続き、焦れたのか匠が1つ提案をした。
「なら、お前から私の顔のどこかにキスをしろ」
「……え?」
「どこでもいい、とにかく顔にだ。それで今回は勘弁してやる」
「いやいや、今回じゃなくてこれからもやめてほしいんだが」
「好きだと思う気持ちをそう簡単に諦めれられると思ったのか?」
「まぁ、そりゃぁそうだが……分かった、とりあえずどいてくれ」
逃げるから無理だ、と言うかと思ったが思いの外素直におりた。
向かい合うように座ると
「目を閉じろ」
素直に目を閉じた匠の顔をじっと見つめた。
(……綺麗な顔しているんだな)
「…………まだか?」
「あ、あぁ悪い」
頬でもいいかと思いいざ顔を近づけてみると、なぜか鼓動が速くなる。
撻器は天井を仰ぐと、ごめん、と心の中で匠に謝罪してそっと逃げた。
「撻器?まだか?」
一向にキスされないので目を開くとそこには撻器の姿がいない。
1人残された部屋で、匠は俯き、ため息を吐く。
「……あいつ、今度会った時は絶対にホビロン食わせてやる……!!」
怒りに満ちた声で匠は呟いた。
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