柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「人気者だねぇ、伽羅さん」
「あ?」
「色んな人に声かけられたんでしょ?」
「……あぁ、やたらと変なのに会ったな」
普通なら近づく事すらしないのにな、と伽羅はその時の様子を思い出しながら言う。
話しかけてきた人々は1人だけインテリヤクザのような堅気じゃない雰囲気の人物以外は、裏の世界を全く知らないような、ただの一般人だ。
「それで、何て言われたの?好きとかファンとか?」
「まぁ、そんな感じだったな。俺に対して好意の目で見るなんて変な奴等だ」
信じられなかったのは全員が自分に対して好意的な感情で接していた事だった。
恐れを一切感じない、憧れや好意の目で接してくるのは何かむず痒いものを感じた。
「知らないの?伽羅さんって人気あるんだよ?」
「あぁ?」
自分に人気がある?と信じられない言葉に思わず眉を上げた。
貘は嘘をついている様子が全くない。
「伽羅さんを大好き、って言うのは俺だけじゃないって事だよ。嬉しい?」
貘の問いかけに伽羅は少し考えた。
嬉しくないと言えば嘘になるが、
「嬉しいって言えばお前はそいつ等に何かする気か?」
「そんな事しないよー。伽羅さんの事を好き同士でお喋りはしたいなぁ、って思うくらいかなぁ」
「はっ、怪しいものだな。お前の独占欲の強さは俺が一番知っている」
「……何それ。俺が伽羅さんが人気で嫉妬しているとでも思っているの?」
「そうじゃなかったらこんな話をしてこないだろ」
こっちこい、と腕を引っ張り、貘をその腕の中におさめる。
貘は背中に腕を回した。
「……俺は人気ありすぎて伽羅さんが向こうの人達に興味持っちゃうんじゃないのかと心配したよ」
「その時はテメェの魅力がその程度だった、ってだけだろ」
「俺が一番伽羅さんの事が好きだし、一番近くにいるからって胡坐かいていたわけじゃないから。もっと俺にハマらせてあげるよ」
だから今日は甘えさせてよ、と甘い声でささやいた。
久し振りの情事のせいか、それとも元々体力がないせいか。
すぐに寝入ってしまった貘の顔を見やる。
「バカ野郎、お前だって好かれているのは知ってんだよ」
簡単に貘をやる気はないけどな、と伽羅はその頬を撫でた。
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