柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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特に予定もないある日の事。
マルコはカールと伽羅に連れられて遊園地に行き、貘と梶はホテルでのんびりとした時間を過ごしていた。
「貘さん、これどうぞ」
「アーモンドチョコ?どうしたのさ?」
梶に渡されたアーモンドチョコは貘は不思議そうな顔をしてみる。
かり梅が好物の貘だが、別に甘いものは嫌いなわけではないので素直に受け取る。
「この前マルコと買い物に行った時に、お菓子屋さん見かけたんですよ。その時に買ったのを思い出したので」
「そうなんだ。ありがとう」
「色々売っていて、マルコが全部欲しいって言って大変だったんですよ」
「あ~……想像つくね」
目を輝かしているマルコを説得する梶の姿はもう何度も見ているせいか容易に想像がつく。
「でも珍しいね。アーモンドチョコを買うなんて」
「それは……まぁ、ちょっとずつ買って食べてみようかなぁ、って思って……」
「ふぅん?」
前よりはマシになっているが、やはり顔に出やすいなと貘は笑みを浮かべる。
もらったものを1つ食べてみると、チョコの甘さとアーモンドの香ばしさの組み合わせが良く、美味しい。
「美味しいよ、ありがとう。そんな梶ちゃんに俺からもプレゼント」
「え?」
かわいらしいラッピングをされた小袋を手渡され、開けてみるとその中には人型をしたクッキーが入っていた。
食べたことがないが、このクッキーには見覚えがある。
「これってジンジャークッキーですか?」
「正解。かわいいでしょ?」
「かわいいですけど貘さんが買うなんて珍しいですね」
「たまにはね」
一枚食べてみると、甘みの中にジンジャー特有の風味が効いていておいしい。
もう一枚食べようとすると、貘に声をかけられた
「梶ちゃんはさ、お菓子にジンクスがあるの知っている?」
「ジンクス……ですか?」
「うん。たとえばチョコ」
肩をわずかに跳ねらせた梶の様子を見て貘は意味ありげに笑みを深める。
「チョコは確か……恋した時に分泌されるホルモンと同じような効果があるんだって。他にも催淫成分みたいなものもあるとか。だからヴァレンタインの時に女性がチョコあげるのはそう言った意味があるのかな?」
「へ、へぇ……初めて知りました」
「後ね、アーモンド」
「……」
「薬として使っていたんだそうらしいよ?それで『あなたのことを心配している事に気づいてね』という意味を込めて相手に渡せば、気持ちが伝わると言われているらしいよ」
「……貘さん、分かっていてやったんですか?」
顔を真っ赤にさせている梶を見てやっぱりね、とアーモンドチョコを食べる。
「パソコンの履歴はきちんと消さないとだめだよ~?誰に見られるのかなんて分からないんだからさ」
「もう、分かっていてからかわないでくださいよ!!」
「からかった覚えはないよ。証拠にジンクスにはジンクスを、って意味で俺はクッキーを渡したんだから」
「え?クッキーにも意味があったんですか?」
「……梶ちゃん、それ本気で言っているの?」
「?」
「クッキーは生地に練り込ませることによって効果があるお菓子らしいよ。ジンジャーを練り込んだクッキーは、恋人に食べさせることで甘い時間が過ごせる」
「へぇ。クッキーにはそんなジンクスが……って、え!?」
自分の手元にあるクッキーと、少し前に会話していた内容を思い出す。
「分かってくれた?」
「……本気で貘さん反則だからこういうのやめてください……今すごく嬉しいのと恥ずかしいので顔見せられないんですけど……」
「ジンクス頼りになった梶ちゃんの方がかわいくて反則だと思うんだけど」
顔を真っ赤にして座り込んでいる梶の耳元に顔を寄せて
「それじゃぁ今から甘い時間を過ごそうか?」
と囁いた。
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