柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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粛清を終わらせた丈一はシャワーを浴び終えると、今から報告書をまとめるかそれとももう寝てしまおうか考えながらドアを開けた。
「丈一、一緒に寝よう」
ベッドに腰掛けている創一を見て、先程まであった疲れが吹っ飛ぶ。
醜態をさらさないためにもできる限り動揺を隠そうとはしたが、「面白い顔しているよ」の一言に、一度咳払いをした。
「お、お屋形様……なぜここに?」
「丈一が1人で寝たら寒いだろうから一緒に寝てあげる」
「しかし、そのような事は……」
「僕と一緒に寝るのは嫌なの?」
「いえ!!ただ、私のベッドはシングルサイズなのでお屋形様に窮屈な思いをさせてしまいます」
長身である丈一に合わせたベッドなので多少は大きいが、それでも男2人寝るのには狭い。
自分はソファで寝ますから、と進言してみるが
「そしたら意味が無いし、それに問題ないよ。僕に考えがある。とりあえず丈一はまず寝て」
「はい」
言われるがまま、できる限り創一に窮屈な思いをさせないよう壁際に体を寄せた。
背後から創一が入ってきた音が聞こえ、そして自分に抱きつくように腕を回してきた。
「どう?」
「温かいのですが……その、やはりお屋形様に窮屈な思いをさせてしまっているのでは……」
「窮屈じゃないよ。それよりもさ、こっち向いてよ」
「え!?」
「駄目なの?」
そう言われてしまえば断れない。
壁際に向けていた顔を創一の方へ向ければ、丈一の胸に顔をうずめてきた。
思わずのけぞりそうになるが、その背後には壁があるので逃げ場はない。
「さっきシャワー浴びたのにそんなに温かくないね」
「昔からあまり体温は高くない方だったので」
「そうなんだ」
しばらくその状態でいたが、少し離れると今度は顔を向い合せる
「丈一と目線が同じになるのってこういう時くらいしかないよね」
「そうですね」
「寝ているからだけど、こうして丈一とちゃんと顔が向き合っているのっていいね」
「私もお屋形様の顔が良く見えて嬉しいです」
「ありがと。……眠くなってきちゃった。丈一は?」
「そうですね……少し眠くなってきました」
普段なら自分以外の体温や気配があれば煩わしくて眠れないのだが、近くにある温もりと心音が心地よい。
「申し訳ありません……先に寝かせていただきます……」
段々と瞼が重くなっていき、普段の自分らしくないな、と思いながらその意識は沈んでいく。
その途中でふと抱きしめてくる力が強くなって
「……キスくらいする甲斐性あってよ、ばか」
その声は夢か現実か、意識が沈んでしまった丈一にはわからなかった。
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