柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「最近お前等仲がいいのぉ」
休憩所で煙草を吸っていた門倉の一言に、弥鱈と巳虎は視線を向ける。
「そうか?」
「おう。何というか、いっつも一緒……っちゅうわけじゃないが、2人でいることがおゆぅないか?」
「そう言われればそうかもな。この前も飲みに行ったよな?」
「行ったよな?と言われましても、能輪立会人が無理矢理連れて行ったようなものじゃないですか……」
仕事が終わったと同時に腕を掴まれ、そのまま居酒屋に連れて行かれた日を思い出す。
飲んでいる最中はほぼ能輪美年の話しかされず、この人の頭の中は壱號立会人の事しか詰まっていないんじゃないのか、と思いながら飲んでいた。
弥鱈が飲みに行ったことが信じられないのか、門倉の目が少し見開かられた。
「弥鱈が飲みに行ったのか!?」
「そうだぞ、あのいつも断る弥鱈がだ」
「能輪立会人、ドヤ顔してもあなたが無理やり連れて行ったようなものですから意味ないかと……」
「でも何だかんだ言って最後まで付き合ってくれただろ。お前の性格なら途中手洗いって言って抜け出すだろ?」
「……」
確かに自分ならやりかねない、いや、確実にやる。
「あの弥鱈がなぁ……しかし何できょうびになって仲ようなったんじゃ?」
「何で……まぁ、俺が弥鱈の事もっと知りたいって思ったからかな?」
「へぇ。弥鱈もよく許してやっているな。いつもなら突っぱねるのに」
「突っぱねても意味がないので。私の事を知ったところで何もないですよ」
「好きな食いもんでも知れれば一緒に飯食う時嫌な思いしないだろ?」
「何で一緒に食事しなければいけないんですか……」
かかか、と笑う巳虎と呆れている弥鱈の2人を見て門倉は吸い終わった煙草を灰皿に投げ入れ、また1本吸い始める。
そして
「巳虎、弥鱈の事が好きなんか?」
その一言に、巳虎と弥鱈の動きが固まった。
誤解を招いたのに気付いたのか、訂正を入れる。
「いや、恋愛の意味じゃなくて。知りたいとか一緒にでかけたいやら、好きじゃなけりゃぁわざわざゆわんじゃろうなぁ、って思うて」
「俺が……弥鱈の事を好き……」
「あり得ないでしょう」
気に入った意味での好きに自分が当てはまるわけがない。
ただ単に人と交流を避けていて、人物像が明確ではないから知りたくなっただけだろう。
「……そうか!!俺、弥鱈の事好きだったのか!!」
「は?」
「あ~、だから最近こいつにばっか話しかけていたんだな。なるほど、納得した」
「まさか自覚がなかったとは……鈍いにも程があるぞ?」
「だって仲良くなりてぇ、って思っていたから」
頭が痛くなる
モヤモヤと胸のあたりが気持ち悪い
「そんなわけだ。だからさ、弥鱈」
この人は人の事を振り回しておいて
「お前のこと好きみたいだから、これからも友達としてよろしくな!!」
人の気持ちを知らないで、こんなに笑って
屈託なく笑う巳虎に蹴りを入れるくらいは許されるだろうと、弥鱈は片足を浮かせた。
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