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柚の樹と螢

柚の樹と螢

pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場 不定期に増えます よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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ホワイトチョコ担当になったゆずきです←
もうねー、色々ネタいただいているのでちょこっとずつお返ししようかと(笑)
ヤンデレな長になっておりますwww



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ホワイトデー
一般的には男性から女性へ、ヴァレンタインデーのお返しをする日である。
撻器も例外ではなく、女性社員たちから貰ったチョコのお返しを黒服達に配るよう手配しておく。
わざわざ配るのには骨が折れるので任せたが、手元にはひとつだけ残っている。

「喜んでくれるかな?」

会うのはいつもの通り今夜。
でも明日は休みにしているからゆっくりと楽しめる。
包装された箱を優しくなでて、撻器は早く仕事が終わらせようと車に乗り込んだ。



「早かったな」
「今すぐお前に会いたくてな」
「……そうか、私もすぐに会いたかった」

匠の家に訪問した撻器は、意外な歓迎に少し戸惑う。
いつもなら「そうか」程度で終わらせる匠にしては珍しい。
まぁ今日と言う記念日でもあり、明日も共にいられるので機嫌がいいのか、と思いリビングへと入る。
そこには片手鍋とコンロが用意されており、周りには鍋に入れるためのホワイトチョコやたくさんのフルーツとクラッカーが用意されていた。

「もしかして……これ、俺に用意してくれていたのか?」
「今日は色々とな。はりきって用意していたんだ」
「先月も貰ったのに悪いな」
「いいんだ。これは私がどうしてもやりたかったからな」

何か少し引っ掛かりを感じたが、また特に気にせず持ってきたプレゼントを差し出した。

「匠、プレゼント」
「私に?撻器だって先月くれたじゃないか、この」
「あぁ。バレンタインの時に美味しいものを貰ったからな」
「そんな、別によかったのに。……ありがとう、嬉しい」

大事なもののように両手で受け取ると、そっと包みを開いた。
中には綺麗にできているガトーショコラが入っていた。

「これ……作ったのか?」
「あぁ。判事に教わりながら作ったんだ」
「……そうか」

愛おしそうにガトーショコラを見つめると、一度テーブルに置く。
そして、テーブルの上に置いてあったワインを開くと、グラスに注いで撻器に手渡した。

「チョコに合うらしいワインだ。一緒に飲もう」
「おっ、見つけてくれていたのか」
「まぁな」

グラスを軽く触れ合わせ、そして一口飲む。
少し変わった味だな、と思った


「……はっ!!」

目が覚めた撻器は、夢を見ていたのかとその体を起こそうとした。
しかし、なぜか動かない。
僅かに動く首を動かして確認すれば、なぜか縄で拘束されていた。

もしや監禁されたのかと思ったが、周りを見回せば見慣れている室内、意識を失う前と同じく匠の家のリビングだ。
首を右に向ければ自分に背を向けて何かをしている匠の姿が見えた。

「た、匠……?」

恐る恐る声をかけてみると、匠がはゆっくりと振り返った。

「あぁ、起きたのか」

その顔は、なぜか笑顔。
しかし完全に目が笑っていない。

「あの……これは?」
「ん?自分が何をしでかしたのか分からないのかな?」

首をかしげるなんて珍しい、と思うがその行為は可愛らしさがない、本気で怖い。
そして、撻器の方へと何かを持ちながら歩き寄る。
その手に持っている物を見ると、チョコフォンデュ用の鍋と、なぜか漏斗。
近づくにつれ、その鍋の中のチョコが煮た立っている音が聞こえる。

「た、匠さん……?」
「……撻器」

その声はとんでもなく冷たい。

「なぜ、私以外の男と一緒に料理をした?」
「……え?」
「それだけじゃない。私以外の奴にもチョコを渡したんだろ?どうして」
「…………そりゃぁ、バレンタインのお返しで……「私以外の奴からどうして受け取った?」
「その……すみません」
「謝るくらいならなぜ言い訳をしたんだ?」

ずい、とその顔を近づけた。

「私はお前から貰ったもの以外は全部断ったんだぞ?まぁバレンタインだからと女性達が寄ってたかってきたが、お前の愛がこもったもの一つで十分だったから断ったのに。お前は私以外の愛も受け取るのか?それって浮気だよな?浮気したのならどうなっても知らないよな?」

漏斗を撻器の口にさすと、それを外せないよう、零れないように口の周りをガムテープで覆う。
息苦しいが、鍋の中のチョコを見ていた撻器には嫌な予感しかしない。

「お仕置き兼私からのプレゼントだ」

漏斗の中へと、煮立ったホワイトチョコを流し込もうと鍋を傾ける。

「ん゛ー!!んん゛ー!!!!」
「ハッピーホワイトデー、撻器」

今までに見た事が無い、とても美しい笑顔を浮かべると、匠はホワイトチョコを何のためらいもなく漏斗の中へと注いだ。
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柚樹 螢
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女性
自己紹介:
撻器さんと長の組み合わせが大好物な腐女子です
妄想をいただけると勝手に書いていることもあります

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