柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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こちら側の人間じゃないのによくもまぁ沈んでしまったものだな、と門倉は静かに寝息を立てている梶を見て思う。
左腕には矛盾遊戯の際に負った怪我を覆う包帯が巻かれており、顔色も青白い。
最初は呻いていたものの、今までの緊張下から解放されたおかげか起きる気配はない。
「バカな奴じゃの」
嘘喰い……斑目貘に利用されていることに気づいているのに、それでも彼はついてきた。
そして今度は嘘喰いに並ぶ?
とんでもない絵空事だと門倉は思う。
その覚悟は認めてやるが、彼のような甘い部分を持った……優しすぎる男が、人を利用し弄ぶ嘘喰いに並べるわけがない、そう思った。
「んな事せんで、普通に幸せになった方が早いと言うのに」
そんな事を呟くが、フロイドが含んで言っていた言葉を、それに反応した梶の様子を思い出し口を閉じる。
普通の幸せを知らないからこそ、この男は引き返そうとすること無く深みに沈んでしまったのだ。
「ん……んぅ」
傷が痛んだのか、安らかに寝ていた顔が少し歪み、汗が流れる。
門倉はそっと濡れタオルで汗を拭いてやり、気まぐれで頭を撫でた。
「……まぁ、嘘喰いのお陰か」
こんなにも放っておけない男に出会えたのも
起きたら何か飯でも食わせないとなぁ、と門倉はそばにあったリンゴを手に取った。
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