柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「傷の具合はどうだ?」
その男は音もなくやって来た。
レオは反射的にナイフを掴み構えるが、相手の声を聞いてナイフを下ろす。
相手が只者ではないのは分かっているが、殺気を感じない相手にナイフを構えるのも臆病だと言われる気がした。
しかし男はそんなレオを鼻で笑う。
「反応が遅いな。痛みのせいか?」
「つけた原因のくせによく言うよ」
「原因だからこそ、だろ。俺だってお前のせいで腹の傷が疼くんだよ」
卑怯な真似を使いやがって、と言う割りには、男の声は愉快そうだ。
「それで、本当は何の用できたんだ?伽羅」
「用が無いと会うなって言いてぇのか」
「俺は俺で忙しいんだ」
「はっ、女に気に入られようと尻尾でも振っているのか。ご苦労なこった」
「……蘭子を侮辱するなよ?」
レオの鋭い視線に伽羅は余裕の笑みを返す。
「ご主人様を侮辱するな、って事か」
「伽羅」
「こっちもイラついているんだよ」
レオの胸ぐらを掴むと強引に床へと叩きつける。
強制的に息を吐き出され、すぐに起き上がろうとするがそのまま組み敷かれた。
「テメェの傷のせいでこっちは疼いて仕方がねぇんだ。責任とれよ」
上着を脱ぎ、怪しく光る瞳で自分を見つめる伽羅を見上げ、レオはその脇腹へと手を伸ばす。
「こんなの、お前にとっては傷のうちに入らないだろ。それに、舐めときゃ治る」
「ならテメェに舐めるのを頼もうか。そう言うのは得意だろ?」
「はっ、人を懐かせたいならもっと考えてみたらどうだ?じゃれつく気にもなりゃしねぇ」
「可愛がってやるよ、ドラ猫」
どちらからともなく噛み付くようなキスをし、獣のように求めあった。
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