柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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「……お前はいつも唐突にやってくるんだな」
鞍馬組が利用しているホテルの一室、そのドアの前に立っている男―――伽羅を見てレオが話しかける。
顔をあげた伽羅は、レオの髪型を見てへぇ、と面白そうに笑った。
「髪、短くしたのか」
「好きで短くしたわけじゃない」
「そうか。似合っているぞ」
「そりゃどうも」
勝手に入る事くらい簡単にできるはずなのに、割と律儀な所があるんだな、と思いながら鍵を開ける。
当たり前のように中へ入り酒瓶を手にすると、そのまま口をつけて飲む。
「勝手に飲むな」
「こっちはこっちで面倒な事やっているんだ。少しくらいいいだろ」
「俺には関係ないだろ」
「うるせぇ」
再度注意すれば舌打ちをして酒瓶を置く。
その後、何を思ったのか伽羅はレオの髪へと手を伸ばした。
焼けて短くなってしまったその髪の手触りを楽しむ。
「何だ」
「伸ばしていたんじゃないのか?」
「意識していたわけじゃないが……まぁそうなるな」
「たてがみみてぇに長かったのによくもまぁここまで切ったものだ」
「燃えたんだ」
「ほぉ、安上がりでできたんだな」
「まさか」
自身は傷を負い、そして鞍馬組としては牙を1つ失った。
蘭子は弱い女ではないし覚悟している女だ、雹吾の事は背負ってこれからも前へ進むだろう。
そんな事を考えていると、伽羅は撫でる手を止めずに呟く。
「今の髪型いいな、寝る時に邪魔じゃねぇ」
「は?」
「たてがみみてぇな髪が邪魔だった」
肌に髪が触れるのがくすぐったくて煩わしかった、と伽羅は言う。
「しばらくは邪魔じゃなくなるな」
「そうだが……まぁでも長いのも嫌いじゃなかったぞ?」
汗で顔に張り付いている時、最高にそそる
獰猛な笑みを浮かべる伽羅に、レオは小さく溜息を吐いた。
「帰る」
しばらく髪を撫でて堪能していた伽羅が唐突に言い出した。
「そうか」
「寂しいか?」
「まさか」
「だろうな。……また髪、伸ばせ」
「は?邪魔だって言っていただろ」
「俺にまた早く会えるよう願掛けでもしておけ」
「そんな女々しい考えを持っていたのか?」
「思い付きだ」
どのくらい髪が伸びているのか見るのも面白そうだな、と伽羅は喉奥で笑った。
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