柚の樹と螢
柚の樹と螢
pixivに載せていた嘘/喰/い同人二次創作作品置き場
不定期に増えます
よくツイッターで呟いていた妄想を書いております
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目の前にいる純粋無垢な青年は何を想っているのだろうか。
「貘兄ちゃん、これ、全部マルコが食べていいの!?」
「もちろん。マー君の為に頼んだものなんだから、遠慮しなくていいよ」
「ありがと、貘兄ちゃん!!」
レストランで頼んだ大量の料理を見て、マルコは目を輝かせている。
あの廃ビルにいた時はどんな食事を摂っていたのかは俺は知らないけど、思った以上に過酷なものだったのかもしれない。
「貘兄ちゃんは食べないの?」
「俺は腹減っているわけじゃないからいいよ。マー君はいつも頑張っているから特別にね」
「マルコ、頑張っている?」
「うん。いつも俺や梶ちゃんを守ろうと頑張っているからね」
そう、マルコは俺達を守る剣になっている。
その力を、俺達を守るために使っていいる。
廃ビルの中にいた時よりはましだろうけど、俺はQ太郎と対して変わらない。
その圧倒的暴力を、殺せとは言わないだけで利用しているところは変わらない。
「なら、貘兄ちゃんも!!」
「ん?」
「カジとマルコの事助けてくれるの、貘兄ちゃんも一緒。だから貘兄ちゃんも食べる!!」
「……マー君は優しいね」
純真無垢で本当は暴力を使いたくないだろうに、それを分かっていて俺はマルコを利用している。
……いや、利用と言うよりは、俺の傍にいる口実だ。
多分これから先、暴力が必要としなくなったとしても、俺はずっとマルコを手放す気はない。
それは憐れみでなのか欲望でなのか、俺自身にも分からなくなったけど。
「そんなことない!!貘兄ちゃんがマルコの事、助けてくれた。だからマルコが貘兄ちゃんの事助けるのは当たり前よ」
……助けてくれた、ね。
でも俺はまた何度でもマルコに人を傷つけるよう命令をする。
マルコはそれを聞いて、本当は使いたくない暴力を使う。
いつかはマルコは利用されている事に気づくかもしれない。
「ありがとうマー君。特別にデザートもつけてあげる」
「デザート?飴?」
「ん~ん。もっといいもの」
この行為がいつしかマルコの息の根を完全に止めるまで、こうして穏やかな時間を作ってもいいじゃないか。
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